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2006年11月18日

学生の匠〜3 無筋基礎・砕石

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学生の匠リフォームの第3回目。
っていうことで、きょうは左手の無筋基礎について、から。
住宅の基礎にコンクリートを使うようになったのは、
比較的に早い時期なのではないかと思います。
リフォームで解体すると、それ以前の「束石」に依るものも多いけれど、
けっこう古い建物でも、コンクリートが使われているケースが目立ちます。
ちなみに束石は、ホームセンターへでも行けば、
デッキの基礎用などで、今でも一般に販売されています。
で、コンクリート基礎はいいのだけれど、その中に鉄筋が入るというのは、
いろいろな建築基準法の変遷を経てのことなのでしょう。
強度を飛躍的に高めてくれます。
現状の古い住宅の問題の大きなポイントが、実はこれなんですね。
こういう無筋基礎に補強的な鉄筋基礎をくっつけるように新設する
という対処の仕方が、なされます。
でもまぁ、そうするためには、内側からやろうとすればこのように
既存の内部を撤去しないと出来ません。
外部側からくっつけるという作戦もありますが、
密集地などでは、施工が非常に難しいケースも出てきます。
というようなことから、現状では建築基準法レベルに満たない
「現状不適格」な建物にならざるを得ないわけですね。
いろいろなリフォームは可能だけれど、この基礎の問題、
もっといえば、地盤の問題も含めれば、大変難しい問題が出てきます。

さて、工事は家の内側から、地盤面を掘削して
40cm土を運び出して整地し、その上に砕石を敷き込んでいきます。
写真右側が、その様子です。
この工事の行われた地域は、山にも近く、頑丈な地盤面。
地質調査までは必要ない、ということです。
この家から2分ほどのわたしどもの社屋建築でも、
特段の地盤補強は必要ない、という結果が出ておりました。
こうして、整理した土間面に対して、鉄筋コンクリートの土間床を新設します。
そのあたりは、また明日に。
こういうディテールの紹介は、ブログの趣旨には添っているのですが、
やっぱ、ちょっと、専門的かなぁ。
でもまぁ、建築への知識が深まっていただくのは、
よい家づくりのいちばんのポイントになるものなので。

投稿者 replan : 06:13 | コメント (0)

2006年11月17日

学生の匠〜2  内部地盤掘り込み

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さて、築40年超という木造住宅。
ちょっと考えただけでも、いろいろなポイントが出てくるのですが、
まずは、構造的にどこまで強度を維持していられるのか、
その見極めと対応方法を、予算を付き合わせて見てみる必要があります。
限られた予算のなかで、それをどのように使うのかは、
施主さんに意志決定してもらわなければいけない部分。
場合によっては、こうした構造的な補強工事に予算がかかりすぎて、
やむなく目に見える快適性向上の部分、
ステキな内装だとか、使いやすい設備機器などといったものを
諦めてもらわなければならない、というケースもあると思います。
という考えは、もちろんまじめな業者さん側の発想であって、
逆に、いや、そういう構造的な部分はいいんだ、目に見える快適性重視で行く、
というような決定を下されたとしても、それには従わねばなりませんね。
たいへん難しい部分だと思います。
実はリフォーム工事というのは、こういう判断の連続だ、ともいえるのです。
ある目標を定めて、予算の配分をよく検討し、
解体工事に着手すれば、現実に柔軟に対応していく必要がある、
そういうものなんですね。

この家では、基礎に鉄筋が入っていない、いわゆる「無筋基礎」でした。
これでは、耐震性能という意味で、危険な家。
そこで、既存の布基礎の内側に150mmの新たな配筋の基礎を重ねて作ることに。
結果としては、既存120cm+150cmという分厚い布基礎になります。
この家のある地域は、杭打ちなどの補強は、
そう、必要とされるものではない条件のいい地盤ではあったのですが、
さらに、どうせやるなら、ということで、より強度が飛躍的に高まる
「土間基礎」で全面的に打ち込む方針にしました。
このあたり、大変コストはかかるけれど、この家の基本的性能をアップさせる、
という目標を実現すべく、しっかりやっています。

で、土間基礎にするためには、既存地盤を掘り下げる必要があります。
写真は、そのプロセスなんですが、
既存の内部を、骨組みと、当面維持できるギリギリの構造材だけに還元し、
地盤面を露出させ、この状態で、土工事をやっているところ。
右側写真のように、重機を内部に入れて、露出した地盤面を掘り込んでいったのです。
この重機を中に入れるのも、ひと苦労。
一番大きな開口部に鉄製の橋を架けて、出入りさせました。
既存の地盤面から、およそ、40cm土を掘って、排出したのだそうです。
その量、なんと大型トラック10台分以上だったとか。
とはいっても、この重機は最も小さいタイプのもの。
相当根気よく、作業にあたったのだろうなぁ、と、苦労が偲ばれますね。

出来てしまえば目に触れることはない、
でも、家の性能には決定的な、いわば、文字通り「縁の下の力持ち」的な
建築工事の部分なんです。で、こうしたものにしっかり予算を振り向けなければ、
結局そのツケは、最終的に家の所有者に来るのです。
ぜひ、多くのみなさんに、理解していただきたいものです。

投稿者 replan : 05:49 | コメント (0)

2006年11月16日

学生の匠・再生工事完成〜1

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昨日、北海道内の住宅リフォーム企業のみなさんが取り組んでいる
「学生の匠」リフォームコンクールの今年の工事が完成し、
それを記念した表彰式が行われました。
そう数は多くなく、しかも中小企業の集まりである特定マーケットの
企業連合による任意団体が仕掛ける年間イベントとしては
ちょっと考えられない規模の大きさと運営実態のイベントです。
毎年、審査委員長をお願いしている建築家・圓山彬雄さんの言葉では
こんなイベントをこんな小さな団体が行っていることは
奇跡に近い、ということ。まさにその通りだなと感じています。
なかなか、運営資金も潤沢には集められないし、
中小企業の足下も、けっしてそれぞれ、安泰とは言えないなか、
ボランティア的に続けていくのには、困難を伴うものです。

ことしのコンクールの受賞作品は、
築40年以上という、木造住宅。
これまで何回か、使用途の変更が繰り返されてきた建物。
その残滓を引きずっていて、間取りが細かく、広くアトリエ的にしたい、
という施主さんの希望には似合わない建物でした。
リフォームの前後の写真を並べてみましたが、
まさに、ここまで変化させるのには、大変な努力が必要。
ここまでくると、確かに残す意味、ということをもう一度、再検証すべき
そういう建物再生だったといえると思います。

しかし、その意味で建築の保存再生について、
その工事プロセス自体で、多くの現状での問題点などが明確になった
ともいえる建物でした。
きのうは、集まったみなさんに工事を担当した工務店の方と、
工事の進行に沿った解説を行ったのですが、
つくずく、前記のような思いを強く抱いた次第です。
このブログでは、これから工事プロセスに沿って
明日以降、いくつかのポイントをまとめていこうと思います。

投稿者 replan : 05:36 | コメント (0)

2006年11月15日

窓辺のしつらいから

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写真は秋田市での取材でのもの。
ディテールにたいへんなこだわりを持っていた施主さんで、随所に
細やかな小物使いが見られて感銘を受けました。

いるんですよね、こういう方。
建築を建てる側って、基本的には「背景」としての演出は出来るけれど
最後の空間の質を決定づけるのは、やはり施主さんの感覚。
この写真で言えば、上下窓や壁の質感・色合い、棚の造作といった部分は
建築の側の事柄といえますが、
照明などの計画、飾るものの選択、ここの場合では台所シンクの選定、
といった部分は、施主支給もふくめて施主さんの感覚に負うところが大きい。
こういう「空間への想像力」っていうものが、
自分なりに持っているって、なかなかいないんですよね。
たぶん、こちらの方なら、インテリアコーディネーターみたいなことも
素地としては持っているのではないかなと思います。
(実際に職業として似合うかどうかは、その他の要素、
主に、コミュニケーション能力の部分が重要ではありますけれど)

あるひとつの旋律を持った空間意識、美の感覚のなかに包まれるというのは、
何とも言えず、ここちよさを感じるものです。
考えてみれば、こういうことを感じさせるような教育っていうのが、
存在していないような気がしています。
こういう感覚って、生きていく上では大切な部分なのです。
「空間を豊かに楽しむ能力」といったことなんですが、
情操教育のなかでも、きわめて大切だと思うのです。
いい音楽を楽しむ、いい絵画や芸術を楽しむ、
というのは教育カリキュラムに入っているけれど、
いい空間を楽しむ、っていうことについての土壌がないと思います。
いまのところは、こうした能力はひたすら人的な体験の集積のみに
頼って存続してきている、あるいは、相伝的に
人から人へ、技術伝承されている、ということなのでしょうか。

こういうここちよくデザインされた空間は、
ひとを和ませるし、ひとの本然に戻させるような時間を与えてくれます。
是非、こういう感覚領域についての
教育プログラム、どこかが本格的に取り組んで、
一般のみなさん向けにやってみたらいいのではないでしょうか。
けっこう、現代人にとって大切な心的領域だと思います。

投稿者 replan : 06:49 | コメント (0)

2006年11月14日

弘前の街にて

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すっかり寒さがつのってきて、札幌では遅かった初雪も降りましたね。
この時期になると、朝、なかなか日が昇ってこないので、
早朝散歩の時間が取れなくなってきます。
だいたい、いま時期だと、6時半を過ぎないと明るくならない。
で、1時間も散歩すると、そのあとの仕事の段取りに影響してくる。
そんなことで、寒いと言うよりも、時間が取れなくなって
やむなく散歩しなくなってくる、という時期なんですね。
しかし、そこへいくと、出張の時って、比較的に時間が取れる。
そんなことで、先日、弘前の街を早朝散歩。
というよりも、久しぶりだったので、すっかり建築散策になってしまいました。

弘前の街は、文化的な建築が多く残されている街で、
お城の周辺地域、城それ自体も含めて、見所がたくさんありますね。
そんなお城まわりで発見したのがこの写真の家。
40年代か、50年代か、いずれにせよ、
モダンデザインのユニークな家ですね。
端正なキュービックボックスに、壁は原色っぽい彩色で
カラフルに塗られていますが、まぁ、落ち着きのある色合いとかたち。
面白いなぁ、ととなりの駐車場側に回り込んで、
右の写真のような玄関脇の窓飾りも発見。
え、むかしのアップルコンピュータファンの人の家?
って思わず、思ってしまうようですよね(笑)。
そうじゃなくて、きっと、リンゴの街・弘前、津軽のシンボルとして、
住宅にもあらわしてみた、というところなんでしょうね。
いや、しゃれておりまして、脱帽いたしました。

こういう建築がメインストリートに残っているというのは、
素晴らしいことである反面、この地区に現代的な都市機能が形成されていない、
ということも同時に表現しています。
そのへんが地方都市という存在の悩ましさではありますね。
先日紹介した、東京の変貌し続ける街並みと比較したとき、
いろんなことを考えさせてくれる街並みだと思います。

投稿者 replan : 06:18 | コメント (0)

2006年11月13日

和洋一体型テーブルから

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このテーブル、奥の畳小上がりと手前の椅子、両方から使えます。
って、よくあるんですが、畳小上がりの下側を収納などに使う場合が多い。
場合によっては、畳のコーナーは掘りごたつ風に椅子のように使えるケースもありますね。
こういうインテリアって、いろいろな家族構成や
そのときの気分で、食事のシチュエーションに変化を持たせられます。
たとえば手前側では、ふつうの食事を取って、
酒が入ってくると、奥の畳でごろっと横になったりしながら
のんびりと楽しむ、ってような使い方。
まぁ、ただ単にテーブルとする方が、コスト面では有利でしょうね。
こういうスタイルにすると、内装での造作工事部分が増える。
でもまぁ、材料代などはそうは大きく変化しませんから、
大工手間の分だけといってもいいかもしれませんね。
そういう意味では、驚くほどのコストアップにはならないかも知れない。

しかし、関東などでは、こういうの、大変かも知れませんね。
先日の取材の時に、東京で設計事務所をやっているひとから
話を聞きましたが、関東ではなにせ、大工技術の劣化が著しいのだとか。
断熱気密といった住宅性能のレベルのことなどは、夢のまた夢のことで、
まともな木工事の技術段階がきちんと出来ていないようなレベルだそうですね。
それなのに、マンション内装工事などの仕事は山ほどあるので
施工の職人さんの引き合いは強い。
需要と供給のバランスが、いびつなかたちになっているので、
現場のレベルはどんどん品質が落ちていっているのだとか。
聞いただけの話なので、もちろん断定は出来ませんが、
そういう施工の技術レベルということでは、
首都圏と各地方では、明確に差が出来てしまっているというのが実感とのこと。
って、首都圏がレベルが上で、地方が劣っているというのじゃない、
その反対なんだ、というところがある意味、すごいことですよね。
地方で、設計の仕事をすると、とにかく廉価な予算でも
仕上がりが望む以上のものに出来る、という思いを持てるそうです。
一方で、首都圏で建築の広告情報の仕事をしている人に聞いたら、
ほかのなんでもの常識で考えて、
首都圏の住宅は「高いし、きっと品質もいいのだろう」と素朴に思っている
そういう受け手の意識というのもあるように感じます。
なにしろ、情報の送り手・媒介者がそう思っているのですから、
そういった情報が、ユーザーに届けられているのが実態なのかも知れません。
確かに土地のコストは高いので、最終的な住宅価格では
高いものになっていますが、それと品質とは、
極端に言えば、なんの関係もない、というのが現実なんです。
品質や価値観とは違うことの比重が、価格決定の最大要因である、
といういびつなマーケットというのが、首都圏の住マーケットのようです。
さてさて、どうなんでしょうか、ね。

投稿者 replan : 05:32 | コメント (0)

2006年11月12日

不老不死温泉・露天風呂

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またまた、寄り道の一席。
白神山地のふもと、青森県西海岸を南下中、道路脇に「不老不死温泉」の看板。
こういうのに弱い。
好奇心がうずいてしまって、通り過ぎたあと、Uターンして行ってみました。
かなり有名な温泉なんですね。
ひんぱんに車が行き交っていまして、お客さんが多いようです。
日帰り温泉と、宿泊用とはお風呂も別になっていました。
で、日帰りの方に行ったら、普通の内風呂とは別に
海辺に天然露天風呂があるとのこと。
これはもっけの幸いとばかりに、さっそく行ってみました。
ありましたね、すごい。
まるで、岩浜にそのまま、お風呂を作ったようになっています。
左右に分かれていて、右は女性側で、左は「混浴」側。
しかたなく(?)、混浴側に入りました。(笑)
いや、あきれました。
誰もいませんでしたから、写真撮ってみた次第ですが、
ごらんのような絶景のなかに、湯船が浮かんでおります。
これは、すごい、ということで、さっそく裸になって湯船に。
湯は、塩化物強塩泉のようでした、とにかくしょっぱいです。
ごらんのとおり、黄色で、まぁ、泥湯ですね。
なんといっても、開放感が実に素晴らしい。
波しぶきが岩にあたって、高く舞い上がっておりまして、
ほんとうに海のなかで、温泉に浸かっている感じそのままです。
お湯は適温で、いつまで入っていても熱くもなく、ぬるくもなく、ってとこ。
まぁ、そこそこに上がりましたが、からだをタオルでぬぐうと
どんどん、茶色になっていきます。
黄色の沈殿成分が、強烈なんでしょうね。

入浴料は、600円也。
このほかに内湯にも入れるわけですが、
この露天温泉に浸かってしまえば、もういいや、と遠慮いたしましたです、ハイ。
ということで、寄り道、都合30〜40分でしたが、
きのう紹介した「千畳敷」のように、日本海側のこうした海岸線の景観は、
度重なる地震で隆起したりして、形成された岩浜なんだそうですね。
普段はなかなか、東北、海岸側って行かないものですから、
たまにこうして、海岸側、日本海側も、太平洋側も、
回ってみるのは、いいですよね。新鮮で、とてもたのしい。

投稿者 replan : 05:27 | コメント (0)

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