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第5回 体験者ルポ〜vol.1

前回までは、化学物質過敏症とはどんな病気なのか、また化学物質に配慮した住宅を建てるにはどうしたらよいのかといった点についてまとめて来ましたが、今回からは実際にご家族(または本人)が化学物質過敏症になってしまった方にその体験談をうかがいます。
発病のきっかけや効果のあった治療法など、実際に体験した人からしか聞けない参考になる情報が満載です。

取材協力/医師・渡辺 一彦氏
前勤医協札幌病院小児科科長。現在は札幌市白石区に渡辺一彦小児科医院を開業中。
道内でも早くから化学物質過敏症の問題に着目し様々な症例に立ち会ってきた。診療・治療はもちろん、研究団体での講演活動なども行っている。
■連絡先
渡辺一彦小児科医院
札幌市白石区本通1丁目南1-13 雄健ビル2F
電話:011(865)8688

■江別市Mさんの場合
 二世帯住宅を建てることになったMさんは、お子さんと一緒にモデルハウスや家具店を巡ったところ、お子さんのアトピーが急速に悪化。指先だけだった湿疹が肘のあたりまで広がってしまいました。原因が分からないまま新居に入居しましたが、その後ますます症状がひどくなり、湿疹は全身に広がります。
 診察を受けた小児科の医者に「原因が分からないのでアトピーは直らない。」と言われ大ショック。さらにステロイド軟膏は長く使うと効かなくなると聞き、薬をストップ。民間療法もいろいろ試してみましたが、アトピーの症状は改善しません。体中に包帯を巻き、夜は痒くて眠れないという、お子さんにとってもお母さんにとってもつらい日々が続きました。
 そんな時テレビに出演していた渡辺先生の「湿疹もシックハウス症候群の症状の一つ」という話を聞き、当時の勤務病院に先生を訪ねたのです。

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