myph

[1100]建築家に依頼、設計完了後、見積り結果からおかしくなりました

質問者:カル / 最新の回答・ご意見者:栃木 渡 / 回答・ご意見数:2件
カテゴリ:契約・法規のトラブル / 2010年12月20日 14:39

建築家に自宅新築の設計・監理を依頼し、ほぼ建築家の提案した計画で実施設計まで進み、工務店4社へ見積りを依頼しました。最初は定評のあるA社B社C社の3社のみでしたが、念のため評判もよくしらないD社にも見積りをお願いすることに。その結果、ABC社とも予算額2700万円を650万〜850万上回り、D社のみ150万上回った結果となりました。
ABC社の見積り額と予算との差はとても埋めきれず、当初D社で進めようと思ったのですが、評判や実績で不安、他社よりも500万円も開きのある見積りもどうかという感じで、最安ではありますが避けたほうがよいかと考え除外しました。


その後、減額調整ではおいつかないため、基本計画から見直すように建築家に再三(メールですが)お伝えしましたが、現プランからの先が見えないからと基本計画を見直さず、もともと基本設計後に仮見積りをとっていたB社(仮見積り時点では予算額に近い額であったが、仕様を上げた本見積もりで800万円オーバーとなった)と建築家とで協議をすすめ、仕様を落とし(屋根の一部フラット部分をガルバ鋼板に、内装漆喰を熱望していたのがビニールクロスに、などなど小変更の積み重ね)3500万円程度の見積りを2700万円近くに仕様変更で対応できるので、現在のプランで進めたいとの話しがありました。
なおかつ、基本設計から実施設計までのこれまでの設計料(設計監理料の50%)147万円を支払うようにとのこと。一度はどちらも突っぱねて、基本計画からリスタートし、その新プランでの実施設計が終わった時に金額を支払うと伝えましたが、やぶさかでないと言っていた基本計画の見直しは無慈悲で理不尽であり、お金も設計業務は施主の要望を反映して誠意をもってやったので147万円すぐにでも支払うようメールを受けました。 設計料は着手時に15%の42万、基本設計完了時にも同じ15%42万支払っています。今回147万円支払えば計231万円で、設計監理料の78%を支払うこととなります。
契約上の支払条項では、着手時15%、基本設計完了後15%、実施設計完了後50%、竣工後に残額となっています。


基本計画のベースプラン作成に1ヶ月、その後の基本計画変更で1ヶ月、A工務店への仮見積りで予算700万オーバーどうしよう、でもB工務店の仮見積りで予算内いけそうと迷走で1ヶ月、実施設計で2ヶ月、本見積り後予算オーバーでストップして2ヶ月が経っています。
わたしの気持ちとしては、素晴らしい!というプランではなく、予算内に納まればある程度我慢せざるをえないのかなといった感じでした。


当初要望していた仕様から程度が落ち、気の進まない現設計を押し進めるよりも基本設計からとお伝えし、建築家も一度は(嫌々でしょうが)やぶさかでないと言っていたものを、支払が後回しだから(?)基本計画リスタートは理不尽というのはどうかと思うのですが、私が言っていることはおかしいでしょうか。
それとも一旦これまでの分を支払って、再度基本計画からということにするべきでしょうか。何だかすでに関係がこじれていますので、支払って基本計画をやり直すことにしても、契約内に施主、建築士一方に不誠実な事案があればもう一方は契約を打ち切ることができる条項がありますので契約解消されそうで気になります。

頭の中にある選択肢として、
A:仕様の満足しない現設計をこのまま進める。とりあえず予算には納まる見込み。
B:中間設計料147万円またはその内のいくらかを支払った上で、あくまでも基本計画からの見直しを主張する。
C:中間設計料はまだ支払わず、あくまでも基本計画からの見直しを進め、新プランの実施設計完了後に中間設計料147万円を支払う。
D:これまで支払った84万円と中間設計料147万円(またはその内のいくらか)を支払い、別の建築家に依頼する。(231万円をムダにすることになり、負担は大きいです)
E:中間設計料は一切支払わず、別の建築家に依頼する。
がありますが、どのように対応すべきでしょうか。

どのようなことでも結構ですので、ご助言お待ちしています。正直家づくりには疲れ果ててしまっています。


もともと建築家の提案まる飲みで特別気に入った設計ではなく、予算内に納まるのであれば提案どおりにといった感じでした。最近では建築家への信頼も正直無くなってきており、他にいい建築家の存在に気付いた事もあって、モチベーションは低下しています。



これまでの回答・ご意見数2

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2010年12月20日 21:27

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

やはり、、私がお答えすべきなのでしょう。。。

私であれば、、、「D」or「B」でしょうね。。

現在までの途中経過は、現実にはありがちな話ではあります。ただ、予定価格に対して20%以上のオーバーとなると、少々、設計者としてのコストコントロールが甘いかな?という印象ですが、私も10%前後のオーバーはままありますし、戦略として、その程度のオーバーを見込んで、設計する事もあります、、、、、。

で、、、一番問題なのは

>最近では建築家への信頼も正直無くなってきており、他にいい建築家の存在に気付いた事もあって、モチベーションは低下しています

の部分です。

例えは下世話ですが、真面目にお答えしているつもりなので、怒らないで下さい。

私どもと施主の関係は、「結婚」に似ています。双方何かのご縁で知り合って、最初、何度かの打ち合わせと言うデートをし、設計契約という「婚約」をしたのですが、婚約中に「あれ?この人、、なにか違うな?」と婚約解消するのは、実際にはよくある話ですよね。。

一度芽生えた不信感や、疑念は、仮にそのまま結婚すれば、解消するかというと、多分、、、ほとんどの場合、、無理です。多少、我慢をすれば「結婚」できるかもしれませんが、「結婚」してしまってから別れるのは、結婚する以上に大変です。「結婚」はそれなりに「離婚」できる制度ですが、「結婚」と言う名の「着工・竣工」を迎えてしまうと、、それは多分、カルさんの奥様あるいはご主人と離婚するより、大変な作業です。

私ども、建築家の立場からしても、フィーを頂戴するがために、イヤイヤ仕事をするよりも、できれば、相性のいい連れ合いと、楽しく仕事をしたい、、というのも本音ですし、その状態で、はじめて、設計料以上の建物が出来上がります。嫌な施主(失礼。。)気乗りしない施主と仕事をするのは、建築家にとっても苦痛ですし、不幸です。

また、すでに、カルさんは他の方に心変わりしている訳ですから、このまま結婚しても、結局、「あの人が、、良かったのに・・」と後悔が残ります。

>契約内に施主、建築士一方に不誠実な事案があればもう一方は契約を打ち切ることができる条項がありますので契約解消されそうで気になります。

お聞きする範囲では、カルさんにも先方にも不誠実な行為は無いと思います。が、婚約解消するのであれば、どちらが言い出すにしても、やはり正当な報酬は払わなければなりません。工事契約に至らなかった、「設計料相当分」としては、数字がちょっと大きめな気がしますし、今後、交渉の余地はかなりあるのではないでしょうか?仮に民事訴訟になった場合は、建築士事務所協会などの報酬基準をベースに第三者が算定すると思いますが、その場合でも、今の金額以上には至らないような気がします。

多少でも、今のままやりなおせるというお気持ちがあれば「B」。
すでに心変わりしたのであれば、少々出費は痛手ですが「D」。
それが双方の幸せな選択だと思います。

蛇足ですが・・・・
実は、昨日、すでに家が出来上がり引渡しを受けた方で、やはりPLANにご不満が、、という方にお目にかかっておりました。家そのものは、はためには充分立派なものなのですが、打ち合わせ経緯も含めて、設計者の説明不足、思慮不足で、結果、PLANにご不満をお持ちのようでした。。設計段階でお気づきになっていたようですが、諸般の事情でズルズルと出来上がってしまったようです。が、何をどう言ってもすでに出来上がった御宅です。いじりなおすには、百万単位のお金がかかります。何も有効なアドバイスが出来ないままお暇せざるを得ませんでした。
また、本日は昨年、私の設計で出来上がった御宅の一年点検に立ち会ってきました。出会いから今日までかれこれ2〜3年のお付き合いです。私の孫に、、、と、薬屋さんのオマケのゴム風船など頂戴してきましたが、、、とっても嬉しかったです。

建築家が一方的に何か決めるのも間違いと思いますし、また、施主も建築家に対する「信頼」があってこそ、いい関係が続くのだと思いますよ。

幸せなご結婚ができますよう、お祈りしています。




myph

カル

所在地:山口県
2010年12月21日 12:38

栃木 渡 様

非常に親身にご回答いただきありがとうございました。
このような案件をどこに相談してよいのか、相談にふさわしい内容なのか、
自分のしていることは非常識なのか、五里霧中で不安でした。
お話しに回答いただけただけでなく、ご自分の経験まで披露していただき
感謝します。

話しがこじれてからずっと精神的に参っており、経験豊かな(30年前後らしいです)
建築家から「基本計画の見直しは理不尽で無慈悲」とまで言われると、
人格否定されたようで塞いでおりました。
おかげさまで少しは顔を上げれそうです。
妻もこうなってしまってはこれからいい関係も築けないだろうし、
交通事故にあったと思って解消したら?とも言ってくれています。
お金とともに貴重な時間も失いそうで、これからどのような結果になるかわかりませんが、
ここが踏ん張り所ですので解決にむけ頑張ります。

myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2010年12月21日 16:03

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

同じ設計に携わる者として「基本計画の見直しは理不尽で無慈悲」という発言はいかがかと思いますが、先方にも言い分はあるのでしょう。

確かに出来上がった「かたち」としての家も大事ですが、せっかくの家づくり、、、「過程」も大事にしたいものですね。

私も「婚約解消」「離婚」、、、経験しています。これは、どちらかが悪いという事ではなく、お互いの「性格の不一致」が原因ですから、恥じる事もありませんし、非常識でもありません。

何かをとらまえて、一方的に責めるのではなく、あくまでも「性格の不一致」という事で、話し合いされてみてください。決して、別れる事だけが選択肢でもありません。心から復縁できればそれにこした事はありません。

最高の家づくりが出来れば、失った時間もお金も決して無駄ではないと思いますよ。(^m^)/

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者