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[15617]ホールダウン金物の施工漏れへの対応について

質問者:Park2 / 最新の回答・ご意見者:栃木 渡 / 回答・ご意見数:4件
カテゴリ:工事ミス・トラブル / 2019年03月29日 02:10

木造2階建て住宅の新築の設計・監理・施工をある工務店と契約し、現在工事中の者です。

昨日、工事現場を見に行くと基礎が打ち終わっていました。
ホールダウン金物が重要なものであることを知っていたため、
念のため図面を片手に間違いない位置に入っているか確認しました。
そして15kN用のホールダウン金物が一ヶ所あることに気付き、
担当に確認したところ、施工漏れであるため対応を検討するとの回答がありました。
また、構造検討しなおしても、それは省略できるものではなく、必要なものだそうです。

このような事態について、適切な対応方法とはどのようなものがあるでしょうか。
調べると、ホールダウン金物を必要としない引抜金物で代替する、あと施工アンカーでホールダウン金物を取付ける、基礎を部分的に破壊してやり直す、といった方法が見つかりました。

もしかしたら技術的には支障ないのかもしれませんが、高い工事費を払う側としては、新築にもかかわらず傷物にされたようで腑に落ちません。
また、品質が低下するのではないか、法的(建築基準法、長期優良住宅の基準)に認められていることなのか、
といったことについても、いまいちはっきりとわかりません。

正直、技術的には問題なければまぁいいか、という気持ちもある反面、
法的にNGならば、万が一の際に誰の責任になるのか、地震保険はおりるのか、そしてやはり"新築"という思いも強いです。
なお、まだ着工したばかりなのに、これが最初のミスではないことも我々家族の心配を大きくさせています。
このような事態について、何かアドバイスをいただけないでしょうか。

また、ホールダウンの施工漏れというミスは、業者としてはどの程度まずいミスなのでしょうか。
重要な部位であるにもかかわらず、リカバリーも難しそうなので、
自分が担当なら最もやってはいけないミスに位置づけられそうな気がします。
現場ではよくあることで、簡単に謝って済むような話でしょうか。
参考にご意見を頂戴できれば幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

これまでの回答・ご意見数4

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2019年03月29日 12:49

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

あくまでも次善の策、技術的なお話として。。

>重要な部位であるにもかかわらず、リカバリーも難しそう

15knのHD金物が欠落していた程度であれば、その柱に10kn用のビス止め引き抜き金物×2=20kn で15kn以上になります。それで、応力的には問題無いですよ。

他にも対応策は色々とありますが、いづれにしても「許容応力度計算」という詳細計算で検討する事が前提になります。ただ、、実質、それが出来るような工務店さんは少ないので、前記の対応で充分以上かと思います。

>あと施工アンカーでホールダウン金物を取付ける

参照元がどこなのか存じませんが、あと施工アンカーは、アンカー自体の耐力の担保がコンクリート強度に依存しますので(ちょっと難しいので説明は略します)お勧めはしません。。というか、こちらの方が、「理にかなっていない」対応です

>新築にもかかわらず傷物にされた
>謝って済むような話でしょうか

個人的には、そんな大仰なお話では無いと思いますが、、
あとはあなた様の対応次第かと。
myph

Park2

所在地:富山県
2019年03月29日 14:15

栃木 渡様

お返事いただきありがとうございました。
比較的簡単な対処が可能なんですね。
その許容応力度計算という検証も含め、依頼先の工務店に聞いてみたいとおもいます。
ちなみに、ホールダウン金物とビス止め引き抜き金物は、使い分ける基準(目安?)はどういったものなのでしょうか。

また、あと施工アンカーについては、ケミカルアンカー?という表現が多く出てきます。
正確にお伝えできず申し訳ございません。

>新築にもかかわらず傷物にされた
>謝って済むような話でしょうか
については、字面を改めて見返すと、過去のミスのこともあり、感情が多分に入っていますね。
お恥ずかしい限りです。
とは言え、なんとなくプロの方々の認識と私の認識の違いを感じられました。
あまり大げさに捉えなくてもよい事態のようですね。
安心いたしました。
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2019年03月29日 18:39

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

>許容応力度計算という検証

おそらく工務店さんはN値法(略算法)という計算で金物を決めているはずです。
ですから、そのまま素直に15kn以上の金物を工夫して付けて下さい。
許容応力度計算で再計算すると、今まで不要だった箇所に「要るよ」という結果になったりします。これは、計算方法の違いによるもので、どちらも「正解」ではありますが、少々、誤差というか巾が出てきます。

キッチリその辺が説明できる人間が計算し、説明しないと、あなた様のモチベーションですと、また更にしなくてもいい心配事が増えそうですから。

>ホールダウン金物とビス止め引き抜き金物は、使い分ける基準(目安?)はどういったものなのでしょうか。

特に定まってはいません。その建物の工法や、スジカイ、面材耐力壁との関係で設計者が適宜判断します。

今は、相当に色々な種類の認定金物が市販されていますので、現場の状況に応じて使い分けしています。


>あと施工アンカーについては、ケミカルアンカー?という表現が多く出てきます。

そのつもりでご説明しています。
あと施工アンカーに関しては、基本的に建築基準法上は存在しない物、、、ようは、使ってはいけない、、というのは語弊がありますが、様々な技術的要因で耐力が保証できない、よって認定品には出来ないもの、オフィシャルには使えない物として扱われています。

とは言うものの、、、耐力が無いという事では無く、安定した耐力が担保出来ると誰も保証できない、、という事で、実際は相当に効くのは、誰もが判っています。
あくまで法文解釈上のお話です。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者
myph

取締られ役平社員

所在地:北海道
2019年03月29日 08:59

URL:
家づくりの想い:

>そして15kN用のホールダウン金物が一ヶ所あることに気付き、


15kN用のホールダウンが、入ってなかった?あるいは、他の強度の物と間違って入っていた?であれば、何キロの物と変わっていた?あるいはそれ以外?
その辺を詳しくお教えいただければ、対策も考えられるだろうと思います。
入っていない?のであれば、どのような部分なのか?わかりませんか?
建物の隅 と言うのと、建物の中間くらいとかでも考え方は変わりますよね?
この件は、図面を詳細に検討する必要はある話ですが、大まかな位置の説明も無く、検討は不可能だと思いますよ。
myph

Park2

所在地:富山県
2019年03月29日 10:32

取締られ役平社員様

お返事ありがとうございました。
また、誤字がありました。

>そして15kN用のホールダウン金物が一ヶ所あることに気付き、

ですが、正しくは
>そして15kN用のホールダウン金物が一ヶ所「無い」ことに気付き、

でした。
大変失礼いたしました。

このホールダウン金物は建物の隅ではなく、中間にあり、柱の片方に筋交いがあるが取り付きます。
現場では、アンカーボルトがこの柱から20cmくらい離れた位置に埋め込まれていました。

全ての情報をご提示出来ずに大変恐れ入りますが、可能な範囲でアドバイスをいただけると幸いです。
myph

タンドリーチキン

所在地:東京都
2019年03月29日 17:17

URL:
家づくりの想い:地元の住宅建築に携わってき…

昔は10kNまではビス留めでよくて、15kN以上はアンカーボルトじゃないとダメって考えがあったけど、今は15kNっていうのはビス留めのものも出ているから全然対応はできる。告示にはその体力の違いでいろはにほへと〜と使い分けはあるけど、アンカーボルトかビス留めかの違いはなかったと思う。
ただ、設計者によってはどうしてもビスドメじゃなくてアンカーで基礎から引っ張らないとダメだって主義の人もいる。その辺は統一された決まりはなく、設計者次第だと思う。

ケミカルアンカーをホールダウンで使用するのはおれも反対。でもこれも設計者の考え方次第。一般的にはダメだよって方が多数派だと思う。基礎壊すのは15kではやりすぎかな。