無論、地盤沈下が「要因」ではありますが、「原因」は、鉄筋が入っていない事にあります。基礎廻りのコンクリートは通常の住宅で2〜3回打設します。前回、打ち込んだコンクリートと次に打設するコンクリートの部分の間に「差し筋」と呼ばれる鉄筋を入れておくのが普通ですが、それが入っていません。
「差し筋」が入っていない＝「手抜き」かと言えば、そのあたりは微妙で、住宅本体の安全さえ確保されていれば、住宅とつながっているように見える、「プラントボックス」や「土間」あるいは建物の周りの「犬走り」などは、地盤の悪いところでは、「ここが壊れても建物自体は沈下しないよね・・」という判断で、「あえて」つながない場合もあります。これは「手抜き工事」というより「設計上」の判断です。

ishrさんのお宅の例で言えば、、仮に私が設計者なら、玄関の階段はつなぎますが、駐車場関連は、コストや「全体の安全性」を考慮してつながないと思います。

造成して間もない敷地は、自然に地盤が沈下します。それを全て止めようと思うと、敷地全体を地盤改良しなければならず、到底、コストの問題が出てきます。今、壊れている部分が「壊れてくれた」おかげで建物本体が不同沈下せずにいる、、、というのも、詭弁臭いですが、あながち「嘘」とも言い切れません。

今後の対応ついては、、、正直に言うと、どうしようも無いかな？という気がします。仮に単独で訴訟などを行っても「建物本体」の安全が確保されていれば決定的な過失、、とも言い切れず、それを承知でホンキで喧嘩したとしても、訴訟費用の方が大きくなってしまいます。何か事を起こすのであれば、ご近所の皆さん一緒にやられるのがいいのかな？と思います（費用対効果の意味で）。敷地が道路より低くなっているから基準法違反、、というのも正論なのですが、それによって「効果」「成果」を得るためには、造成地に住まわれる方々みんなで結束していく事が、「証明」する意味で大事でしょうね。

補修については、駐車場、あるいは敷地全体を何とかしようとすると、ビックリするほどの費用がかかりますので、玄関部分だけ、、、それも、今と同じように「つながない」で、あくまでも時間経過と共に下がる事を前提とした補修方法を、地元の工務店の方に相談してみてください。

写真で見るとそうとうな速さで地盤が沈んでいるようです。
造成地購入の際、このような軟弱地盤だと云う説明があったかどうかですが、造成地の販売業者もこれに関わる法律に基づいて造成開発をしていると思われます。

施工業者は、対象敷地の地耐力を地盤調査して本件の家を建築したしたのでしょう。つまり本件は、責任の所在を追求するに至らないのが現状だと思われます。
本来、このような軟弱地盤では、家本体だけでなく、玄関アプローチ、犬走り、カーポート、塀や舗装する場所の全てに杭を打ち込み、施工すべきだったのでしょう。当然、然るべき費用が掛ります。

本件は、現在の状況で不動産業者や施工業者に責任を押し付ける事はかなり困難だろうと思われます。
対策方法としては、沈下すると困る場所の工作物を取り外し、地盤補強をするしかありません。
その費用負担が軽減できるよう、関係業者に要請する事が賢明と思われます。