せっかくの新築住宅が引き渡し前に傷ができたと云うのは、何とも悔しい思いをするものです。
私達、建築施工業者は、そのような事象が起きないよう、細心の注意をして工事をしているのですが本件のような事は少なくありません。

建主さんの心中は、フローリングをそっくり取り換えて貰いたいと思う事でしょう。
ところがサネ継で連続施工のフローリングを取り替えると云う事は、周りの巾木を取り外し、かなりの面積のフローリングを取り外す事になります。
また一旦外したフローリング材は、細かい傷が付く場合うもあり、相当なコストを業者側に負担させる事が予想されます。
これを強要する事は、今後の施工者との付き合い方が難しくなりそうな気がいたします。

家は、出来あがって住み始めると、建付けや設備、内装などに様々なところに不具合が見つかるものです。
施工業者さんとは出来るだけ友好な関係を保持しておく方が、建主さんにとって賢明な事と思われます。
フローリングに多少の不満は残るにしても、これからの付き合い方を重視した方が有利であると思慮されます。

　福地さんの言われる通り、と私も思います。
お客様としては、軽く考えられるところですが、

　実は、フロアの張替は、思ったより大変なのです。
まず、福地さんの言われるように、「さね」で、継いで、はじから順に張ってます。と言うことは、途中での剥がし、張りということには、不利なことになります。
また、その時の釘は、さねから斜め打ちです。最近は、機械打ちですから、なおさら、大変です。
　それを、のり付けしてあれば、まず、難渋する事は、目に見えています。

　もし、張替を強行したとして、
下地合板は、傷だらけ（糊を剥がした跡）など
必要な張り替え面積より数枚以上の実際の施工面積
数枚は、フロアの天端から（表面から）のフィニッシュネール（針のような釘）の穴ができ、補修が必要。
後からの分のフロアの「色柄の微妙な相違」
などなど、不都合が多くなることになります。
　決して、穴一つで　と、思うほどにお客様の有利には働きません。

かといって、部屋一つ張替という要求は、「過剰な要求」だと思います。

　補修の技能の問題は、なんとかならないものではないと、思います。
「もっと、上手に直らないの？」を、角をあまり立てないで、言ってみる。
ということは、良いのではないでしょうか？