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[18070]床の傾き

質問者:Shun / 最新の回答・ご意見者:Shun / 回答・ご意見数:1件
カテゴリ:その他 / 2021年01月04日 11:14

お世話になります。

築22年の中古戸建(2階建て、2世帯住宅を1世帯用にフルリノベーションしてある物件)を先月末に契約し、今月末引き渡し予定です。売主は個人ではなく不動産業者です。

引き渡しに際して内装、建具等最終確認をする中で、2Fの二部屋の床の傾きがあるのに気づき現在不動産業者に確認をお願いしているところです。
(リノベ工事を引き受けた会社は簡易的に測定したところ高低差は5mmで、不動産会社は年明けに第3者の業者を入れて再測定するという状況です)

今後不動産業者とやり取りをする中で基本的な考え方や対応についてご教示いただきたいです。

素人なりにネットで調べたところ、文章下部の基準があるようですが、以下につきましてご教示いただきたいです。

・フルリノベーションした物件は、中古or新築どちらの基準が適用されるか。
 (中身は新築同様なので床も新築の基準であるべきと主張したいですが。。。)

・仮に中古の基準が適用し5/1000(あるいは基準値内)となった場合、泣き寝入りするしかないのか? 
 (個人の感覚としては傾斜が体感的に気になってしまうレベルであり平らにして ほしいと考えています)

・基準値内(例えば6/1000だったとして)で収まっていたとしても、一定程度の瑕疵の可能性があると判断でき契約不適合として修正工事をお願いできるのか。

お手数ですが、この状況に対する専門的な知見はいただけますと大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。



【主な基準・解釈】

・一般的な傾きの許容レベルは新築住宅が3/1000、中古住宅で6/1000が目安

・「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の床の傾き基準は以下の通りです。
?傾きが3/1000未満:構造部分に瑕疵がある可能性が【低い】
?傾きが3/1000以上?6/1000未満:構造部部分に瑕疵がある可能性が【一定程度存在】
?傾きが6/1000以上:構造部分に瑕疵がある可能性が【高い】

※この基準は長さが約3m以上の2点間における傾斜目安となりますので、長さが約3m以下の場合はこの基準に当てはまらないことがあります。

これまでの回答・ご意見数1

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2021年01月05日 14:09

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

論理的にご理解いただけそうな方なので、少々専門的にお話します。

まず御提示の6/1000云々の基準ですが、御提示部分はどこかのネット情報のコピペと思います。ただ大事な部分が欠落しています。そもそも、品確法では何ら基準を示しておらず、品確法第70条を受け、「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」という告示が定められ、その中で定められた(正確には「参考とすべき」)基準がご提示の基準なのですが、その告示の前段、第二条で適用範囲とし「住宅を新築する建設工事の完了の日から起算して十年以内に発生した事象」となっております。つまり、10年以上経過した住宅には当該基準は適用されないと考えるのが自然でしょう。これに関しては世間的に数値基準だけ一人歩きしているようで、築年に関わらず何でもかんでもこの基準、、と、勘違いしている建築士・不動産事業者・施工者・弁護士が多いようです。

いや、22年経っていてもフルリノベなので新築並みの基準を・・・と、お考えになるのも頷けますが、同じ品確法の中で新築住宅の定義として「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの」となっていますので、いくらフルリノベでも新築と言うには無理がありそうですね。

つまり、10年以上経過した住宅には、明確な数値基準が無い、、というのが実情です。

あとは基準には無くとも「瑕疵」であるかどうか、、と昨年4月に改正された民法に因る「契約条件不適合」にあたるかどうかですが、「瑕疵」に関しては本来の目的(住む事)が適わない程度かどうか?が論点になりますので、本気の法律論議となると相当にハードルは高いです。残るは「契約条件不適合」の問題で、これについては法律(民法)が改正されたばかりで判例が無く、私もよく判りません。が、そもそも「契約条件(契約書)」がどのような内容か判らないと何も判断できません。

と、ここまで悲観的な事を書きましたが、おそらく不動産事業者さんもこのあたりの認識は、あなた様以上に曖昧なはずで、現状では、双方曖昧なまま(あなた様は知らんぷりして)上手く落としどころを探る、、というのが賢明ではなかろうかと思います。数値基準にこだわってハードな論争をして得な事は何もありません(経験上、そう思います)。最後は双方、誠意をもって道義的判断をする。。。のが得策かと。

唯一アドバイス出来る事。

床の傾斜は表面上現れた不具合事象の一端です。人間で言えば「熱がちょっとあるね、、、」という事で、熱が何度あるかより、どうして発熱したのか?を診断する事の方が重要です。単なる経年による梁のたわみであれば、すぐに直るでしょうが、不同沈下など修補が難しい原因の場合、それこそ本来の目的(住む事)が適わないという事になります。その原因を探る事。で、その為には売主が依頼した第三者と称するインスペクターではなく、あなた様自身が選ばれ、あなた様の費用負担で依頼するインスペクターが宜しいと思います。インスペクターは第三者性を保つべきですが、どうしても依頼者側に寄ってしまうのも、人情です。

あなた様が選任するインスペクターに、あなた様の費用負担で、床傾斜だけでなく「総合的に」診てもらい、その結果をもって、色々なご判断をされるのが宜しいのではないでしょうか?
myph

Shun

所在地:愛知県
2021年01月06日 21:54

コメントいただき誠にありがとうございます。
法的な見解やこの問題への対応姿勢等大変貴重で参考になるご意見をいただき感謝しております。

根本的な原因の究明と誠意をもって道義的に対応していきたいと思います。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

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