一般的なお話として。。。
>瑕疵とインスペクションは別物なのですよね?
まず、インスペクションは単に「検査」という意味です。ですから空港の手荷物検査なんかも Baggage inspection と案内していますよね。
混乱しやすいのは、国が進めている不動産取引制度の一環としての住宅の検査を単に「インスペクション」と言い出し、それが、瑕疵保険の加入検査と内容がほぼ同じため、「瑕疵保険の加入検査」「宅建業法に定める既存住宅検査」が、「ホームインスペクション」と同一視されたからでしょうね。国の制度としての検査は、非常に限定的な箇所や内容をしらべるだけなので、建物の不具合を総合的に診る「インスペクション」とは異なる物です。
詳しくお知りになりたいのであれば、不肖、私が説明している動画がありますので、少々、専門的ですが、ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=D2Mqe59X3wM
瑕疵とは、「見えない傷」という意味で、これも、住宅に発生する不具合(世間一般で言う手抜き工事?)を全て「瑕疵」と理解されている方が多いのですが、それは違います。「瑕疵」かどうかは、相対的なもので、例えば10cmの傷でも利害関係者相互が「それでもいいよ」となれば瑕疵ではありませんし、1cmの傷でも時によっては瑕疵になります。
とはいえ、それでは、あまりにも判りにくいので、目安の数値として国交省が「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」という判断基準を示していますが、これも、前段でご説明した通り、相対的な概念を少しでも絞り込むために、あくまで「目安」を示したもので、その文中では「瑕疵の可能性がある」とかの表現にとどまっており、例えば3cm以上の傷は瑕疵である。。。という事にはなっていません。
この辺がよく判っているインスペクターは、むやみに、「○○であるから瑕疵である」というような乱暴な言い方はしません。年一回の健康診断では「胸部レントゲンで影があるので、専門医での精密検査をお勧めします」というような言い方をしますね。。。あれと同じです。
>瑕疵の調査の専門会社と言うのはあるのでしょうか
正確な言い方ですと、誰も「瑕疵である」とは断言できません。よって、瑕疵と断定する会社は存在しないか、あったとしたら、私は少々、そのスタンスに疑問を感じます。
ただ、今後、様々な交渉事にあたり、専門的な知見が必要であれば、「意見書」「見解書」という形で、原因の推測(あくまで推測です)をしてくださるインスペクターや建築士は居ます。
インスペクションの報告書は、あくまでも「レントゲン撮ってみたら影があったよ」という報告までの物です。