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[19546]壁の傾きについて

質問者:MY750T / 最新の回答・ご意見者:MY750T / 回答・ご意見数:4件
カテゴリ:工事ミス・トラブル / 2022年05月16日 12:37

お世話になります。

壁面の傾きについて相談させていただきます。

・在来工法(木造軸組)、新築建売り物件(入居から2年弱)
・躯体は集成材を工場でプレカットしたものを使用
・建設住宅性能評価:耐震等級3
・箇所は2本間の隅柱に面する壁面(1階と2階)です。隅柱は通し柱ではなく、金物で締結されています。

きっかけは、室内側の壁面と家具との隙間が上下で異なる事に気づき、壁の傾きを疑いました。ハウスメーカーに計測を依頼して計測結果を訊くと、3mm/1mで、国交省の定める住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準でも瑕疵の程度は低い、との事でしたが、こちらで市販のダイヤル式下げ振りを使用し数か所を計測した結果、箇所によりばらつきがありますが、最大で1mあたり5mm弱の傾斜が認められました。同一の壁面で1階側は床面から天井側にかけて外側に、2階側は内側に、「く」の字状に傾いている様に見受けられます。その結果をHMに再び伝え、再計測をした結果、最大で4mm/1mを超える傾斜があると認めました。

躯体の傾きの可能性について尋ねると、推測だが石膏ボードが断熱材や巾木を噛みこんでいることなどが原因と考えられる。つまり躯体の傾きではなく、耐震性など強度に影響はない。また、工業製品なので多少の誤差は存在するもので、前述の国交省の基準を超過していても必ずしも瑕疵があるわけではない、との説明でした。

感想としては、回答に一貫性がなく思われ不信感を持ちましたが、知見のある方のアドバイスを頂ければ幸いです。

1.HM側の「工業製品の誤差の範囲」という説明は妥当で、一般的にもありがちな事象なのでしょうか。
2.今後の対応ですが、どうするべきでしょうか。私としては、見栄えはさておき、耐震性や耐久性への影響が気になります。ただ、躯体の傾き調査となると壁面を取り払うような工事となり、躯体にも負荷がかかるのではと思います。構造耐力上主要な部分は引渡しから10年間は補償を受けられると理解していますので、定期的に傾きの計測を実施し経過観察してから判断するのも一手段と考えております。

以上、お手数ですがよろしくお願いいたします。
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これまでの回答・ご意見数4

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2022年05月19日 10:05

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

まず、傾斜基準の考え方に関しては、メーカーの方がおっしゃる事は正しいです。

3/1000とか6/1000の基準はそれを超えたから危ない、、とかそれを超えなければ安全とかの目安ではありません。
問題のあった現場を調べてみると、6/1000を超える傾斜が発現している確率が高かった、、、という事(という論文を拠り所にして)で、数値の目安としているだけです。

血圧が135を超えたから、すべからく誰でも不健康である。。という事ではありませんよね。それと同じです。

おそらくプレカット材でしょうから、そこそこ精度は高いので、材料の決定的なミス、、というのは考えにくいですね。考えられるとすれば、人間の手によるところ、、、つまり組み立ての際になんらかの手違いなどがあったか?と考えるのが合理的でしょう。

業務上、色々なお宅の床や壁の傾斜を測定しますが、0というケースはありません。1軒の家のお中でも、あっちこっち。。好き勝手な方向に大なり小なり傾いています。工業製品(プレカット)と言っても,組み立てるのは人間ですから、、そんなもんでしょう。。

非常に合理的で、賢明なお方のようで、
>定期的に傾きの計測を実施し経過観察してから判断
で、宜しいと思いますよ。。

その時の判断基準は、細かな数値の大小より、同じ方向に同様な傾斜傾向があるかないか。。それが、経年で進行しているか?になろうかと。
ただ、地盤の不同沈下も、同じような症状を発症しますので、専門のお方に任せた方がいいですね。。メーカーの定期点検の項目に入れていただいては如何でしょう。

経験上、建物が傾けば、体感で判ります。歩いていて床に違和感があれば、6/1000程度の床傾斜はありますね。壁の傾斜だけであれば、気持ちは悪いですが、構造上不安がある、、という感じではなかろうかと思います。

myph

MY750T

所在地:神奈川県
2022年05月20日 19:17

分かりやすいコメントありがとうございます。

程度の多少はあれど、確かに人間の手で組むものなので誤差は付き物ですね。問題の箇所は壁面ですので、感覚上、実用上は問題ありません。床面は水準器を当ててみましたが、今のところ問題はなさそうです。

ちなみに件の壁面はキッチンスペースに当たりまして、大型冷蔵庫や食器棚で占有されております。ただちにボードをめくるのは負担が大きく、家内への迷惑も考えますと得策でないと判断いたしました。経過観察で対応したいと思います。

不動沈下については確か20年の保証が付いていたかと思いますので大丈夫かと思います。




※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者
myph

取締られ役平社員

所在地:北海道
2022年05月16日 15:34

URL:
家づくりの想い:

お気持ちを理解しないわけでは無いと思いますが、
住宅に使用する「柱」等の材料は、
「JIS」の規格ではありません。
「JAS」です。
工場で、マイクロメーターを使用して計測を必要とする物ではないのです。

myph

現場監督A

所在地:東京都
2022年05月16日 22:10

URL:
家づくりの想い:現場監督歴20年。アフターも…

現状としては、柱の傾きではなく、「壁」の傾きということなのでなんとも言えないのですが、そのような箇所が複数あるんでしょうか。柱が傾いていれば当然壁は傾いてくると思いますが、「柱は傾いてないけれど壁が傾いている」という可能性もあるので、住んでる方には大変ですが1箇所くらいひどいところはボードを剥がしてみて確認する作業は必要じゃないのかな?と思います。今の段階としては推測しかなくて、柱が傾いてる可能性もあるし、その場合の原因もわからないんですよね。

大きな問題にはならないとは思うんですが、その辺の確認作業もしないんだぁと感じました。家主が安心できる材料で確定的なのがあれば理解できるのですが、4mm/1mということは階高レベルだと1cm傾いてるということですよね。精度としてはかなり悪いし、ぼくは柱の精度だとしたらプレカットでそんな精度は見たことありません。ただ下地の施工不備でそういう傾きが出てしまったことは過去に一度だけあります。その辺が深刻な精度不足なのか、イージーミスなのかははっきりさせた上で、その後どうするということを決めるべきじゃないのかなと感じました。

すみません。法的にどうすべきか、という話ではなく、一般的に会社として、会社のメンツとしてこうしない?というお話でした。
myph

MY750T

所在地:神奈川県
2022年05月18日 00:56

アドバイス頂きまして有難うございます。

HMからの回答書では、最大4.3mm/1mの誤差があったと明記されていましたが、軸組検査、金物検査を実施し、役所の検査にて適合診断が出ており、耐震性や強度に問題はない、との見解です。また、6/1000を超えているか否かを基準に判断しているとの事でしたが、はじめの回答では3/1000を超えていないので問題ない、との回答でしたので、説明としては少々無理やりな感じは受けました。

年間5万棟近く販売しているパワービルダーというのでしょうか?短期に大量生産する方式ですので、効率を第一義とする完全な分業制で、提携している工務店さんの技量や方針に左右される、ある意味当たり外れ的な部分もあるのかと思いました。

場所による傾斜の度合いですが、計測した結果、今回問題とした壁面以外はとくに大きな傾きは確認できませんでした。ただ、問題となる箇所が2本の隅柱に面した箇所というのが不安要素ですね。原因が躯体なのか、間柱、巾木、断熱材の類なのか、めくってみなければ分かりませんが、注意深く観察は続けて判断いたしたいと思います。
myph

現場監督A

所在地:東京都
2022年05月18日 08:50

URL:
家づくりの想い:現場監督歴20年。アフターも…

おおよそ自社による工程内検査で、柱の傾きをを確認している会社って少ないと思います。役所の検査でも見ません。建て方の際に大工や建て方屋が柱の傾きを見ますが、パワーピルダーになるとその際に一棟一棟に監督が立ち会うこともしないでしょう。極端に柱が傾いていても、完了検査まで通ってしまいます。個人的には柱が多少傾いていても、何か極端に構造上の問題が発生するとは思いません。
技術的指針というのは経年でその精度に落ちた際に何か問題があるのでは?という意味で考えるのが自然だと思います。はじめから傾いていた上でその後の工事がしっかりとされていれば極端な問題はあまりなさそうですが、今回、検査時には問題がなかったという話なので、その後にこうした傾きが発生したとしたらその方が「何か構造的な問題があるのでは?」という材料にならないのかなと思いました。検査時から傾きを把握した上で問題ないと判断したのであれば別ですが、指摘後に計測に来ているということは事前に把握していないですよね。と、ここまではハウスメーカーをいじめる材料です。

極端に傾いている箇所が1箇所だけということは基本的にあまり考えられません。そこだけ傾くと、プレカットされた構造体が納まらないからです。あとは稀な例ですが、プレカットされた梁材が10mm長かった短かったがあると起き得ます。近年、コロナやウッドショックでプレカット業者もバタバタしているのでミスも増えがちです。あと1箇所というのが柱一本なのか?その部屋の壁一面で傾いているのかにもよりますが、ボードを開けてみると柱が倒れているのか、下地で何か影響があるのかがわかると思います。それ以前に構造的にそこまでする必要があるかどうか?があると思いますが、ぼくだったら構造的に大丈夫でも流石にその傾きは直してもらいたいなって思います。その制度も「こんなもんです」って。。ただ確かに法的に直さないといけないってことはないかもしれません。
myph

MY750T

所在地:神奈川県
2022年05月20日 18:58

詳細なご説明と見解頂きまして参考になりました。建売の完成後に確認して購入したもので建築中の状況は分からないのですが、完成検査は形骸化している可能性があるのですね。

また、回答書の中に、構造木材は乾燥による収縮により寸法誤差が発生するという文言がありましたが、仮に検査時に問題はなかったとしても、引き渡し後、早期の段階で影響するものか疑問にも思いました。

ともあれ、現状は強度的な実害がなければよし、と考えており経過を見てまいります。

ありがとうございました。