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[2797]2x4と2x6 断熱材(ロックウール)厚さについて

質問者:りすぞう / 最新の回答・ご意見者:りすぞう / 回答・ご意見数:4件
カテゴリ:性能 / 2011年08月21日 22:59

2x4でロックウール90mmが標準仕様のハウスメーカーと商談中です。 1階の天井を高くする場合は、2x4でなく2x6となるのですが、断熱材は90mmのままとのことです。 となると、ロックウールのとなりに50mmの隙間ができることになります。これは将来ずりおちたりして断熱性能が劣ってくるなどの問題はないのかと聞いたところ、ハウスメーカーは「ロックウールをしっかり貼り付けるので」問題ない、とのこと。 

「断熱材を140mmにすることもできるが、窓も全てそれ用にしないと、逆に問題になる。 ロックウールの隣に5?の隙間があるのは全く問題ない」とも言われました。

私は断熱材は構造材の間に隙間なく充填するべきものだと思っていたのでびっくりしました。 2x6で90mmのロックウール、50mmの隙間は、本当に問題ないのでしょうか? アドバイスいただけると助かります。 よろしくお願いします。
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りすぞう

所在地:東京都
2011年08月24日 09:56

福地様

回答ありがとうございました。 福地さまへお礼を書くべきところを誤って竹沢様と書いてしまいました。 福地さまのHP拝見して、断熱に対するただならぬこだわりと技術、感銘をうけました。 あいにく、業者とはもう契約済みのため、この業者で失敗のないように進めるしかありません。デザインなどにとらわれていましたが、もう一度原点に返って断熱性能など検討したいと思います。 ありがとうございました。

これまでの回答・ご意見数4

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
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福地 脩悦

株式会社 福地建装 / HQ住宅研究所 ファース本部
2011年08月22日 16:10

所在地:北海道北斗市中野通324
URL:http://www.fas-21.com/
PR:「家は創り上げ、育て続ける…

高気密、高断熱は寒冷地に限った事ではありません。
しっかりとした概念に基づいた家づくりを行うと、冷暖房の負荷熱量は、南東北あたりが暖房費と冷房費が、年間を通じて同等になる分岐エリアとなります。

天井の高い、開放感の伴う壮大な間取りを計画のようですが、それなら一層、断熱性と気密性にこだわるべきです。
断熱や気密性能は、家が出来て住み始めてから、暖かい、寒い、暑い、涼しいとの体感に加えて、暖房費と冷房費が一生涯にわたり影響を与えます。

家づくりは夢づくりとも云います。
大きな吹き抜けで天井の高い居住空間を夢見ているなら、その夢が出来た家で失望に変えてはいけません。
「断熱材を140mmにすることもできる」との事なので、そちらを完全に優先すべきです。

Q値とは、断熱材の熱伝導率(λ値)、開口部の熱貫流率(k値)、隙間相当面積係数(c値)が織なって計算し、家全体の総熱損失量を算出します。
その数値を延べ床面積で割った数値がQ値です。
断熱材でいえば、熱伝導率÷断熱材厚さ=熱抵抗値、その逆数がK値でです。
つまり、断熱材は厚いほど効果があります。

ところが、仰せのようにロックウールやグラスウールなどは、壁中の空気を静止させる事で断熱効果を発揮します。
断熱材と構造部材の間に隙間が出来ればその部分に空気対流を生じさせて断熱効果を半減させてしまします。加えて静止させる空気は乾燥している事です。

このあたりの技術的な知識を充分に積んでいる工務店なりハウスメーカーに設計施工させなければ、家の出来た後に、この住宅110番に相談することになります。

文面から推察すると現在進行しているハウスメーカーとの遣り取りは、とても危うい感じを思考してしまいす。
温熱環境は、家の寿命にも大きく関わります。
この時点で、充分な調査研究をなさり、悔いの残らない家づくりを実践してください。
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りすぞう

所在地:東京都
2011年08月24日 09:50

竹沢様

回答ありがとうございます。業者の施工性、できるかぎり確認したいと思います。 
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竹沢 正弘

瀬尾建設工業 株式会社
2011年08月23日 17:36

所在地:北海道羊蹄山の麓・倶知安町
URL:http://www.seo-ken.co.jp/
PR:「ウデより口が立つ」もので…

 基本的に、高断熱には、高気密が不可欠です。高気密にすれば、換気が必要条件です。

 すべて、実は、目に見える大きな部分は、チェックもしやすいし、問題も起こりにくい。
問題が起こるのは、各部の取り合い、配管配線の穴、すみずみ、部材間の継ぎ目など、小さいところです。また、細かな施工中の配慮です。

 ここで、大きな問題点は、各回答者さんが、語っておられます。
2×6にして、断熱材を厚くしても、気密に穴(施工の不備等)があれば、100mmの断熱より悪くなります。
かといって、50mmの空間は「断熱の性能」が発揮できません。

 私が思うには、施工業者のスキルを、良く検討する必要性があるでしょう。
その業者の建てた、物件の数年後の状況を、(業者の説明ではなく)確認されると、良いかもしれません。
 実際に2×6で、薄い断熱材と厚い断熱材の実例が見られると、最高ですね。
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りすぞう

所在地:東京都
2011年08月24日 10:00

竹沢様

回答ありがとうございました。 施工精度が大切なこと、よくわかりました。契約した業者で建てて、数年・20年・30年たった知り合いがいて、いずれも施工精度に関して不満がないようなので、安心していました。 でももう一度良く原点に戻って考えてみたいと思います。 ありがとうございました。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者
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クラビア

所在地:新潟県
2011年08月22日 08:53

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

基本的な考え方として,りすぞうさんが,住宅に何を求めるかによって回答が異なってくるように思います。
もしも,本当に冬暖かく,夏涼しい住宅を希望されるのであれば,本格的な高断熱,高気密住宅をお薦めします。
断熱性能は設計の段階で,Q値で判別できますので,住宅メーカーにQ値がいくらになるかを確認されると良いでしょう。
(Q値を公表しないメーカーはまず除外されますね。これは燃費を公表しない車と同じことです。)
Q値とは,熱損失係数のことで,家から熱が逃げる割合を表していますが,この値が小さくなるほど,断熱性能は高くなります。
ドイツのパッシブハウスは0.7Wm2/kでこれが世界的には最高ランクになるでしょう。
多くの住宅先進国では1.5〜1.2くらいの間です。
ちなみに,ロックウール90ミリの場合は,恐らく2.7〜2.5程度になると思われますので,日本の省エネ基準には該当していますが,国際的に見ると力不足です。
今は,大手ハウスメーカーでも0.7クラスの住宅を市販しているところがありますし,北海道ではこれ以上の性能の住宅を提供しているビルダーさんもおられますので,今一度,調べ直しても良いように思います。
もう一つ大切なのは気密性能ですが,これは家が完成した時点で,気密測定器というものを家に取り付けて測定します。
先進国では常識になっていますが,日本ではこれが義務づけられていないため,これを行うメーカーは少ないです。
それで,これを実際にやっているかどうかを確認すると,住宅メーカーの本気度が分かります。
気密性能は隙間相当面積とも言いますが,C値で表されます。
C値は床面積1平米あたりに対して,家全体に隙間に相当する面積が何平方センチメートルあるかを測定するものでして,これが悪くとも1cm2/m2以下,できれば0.5cm2/m2程度であれば,申し分ありません。
逆に言えば,気密測定をやっていないところは,省エネの面で疑問が残るということです。
あとは,換気システムが重要になりますが,Q値,C値に留意されているメーカー,またビルダーさんは,大抵は換気システムも良く勉強されていますので,まずはQ値,C値(気密測定をやっているかどうか)を確認されると良いと思います。
最後になりますが,壁に隙間がある場合にロックウールが垂れるかどうかは,ロックウールの種類によります。
硬い板状の物であれば垂れる心配はありませんが,柔らかいものであれば,その懸念は出てきます。
なお,ロックウールを使う場合は壁内結露に注意する必要があります。
温暖多湿地では夏季型逆転結露にも配慮する必要があるでしょう。
湿度の高い地域では,繊維系断熱材よりも,発泡ウレタン,発泡ポリスチレン,発泡イソシアヌレートなどの,発泡樹脂系の断熱材の方が安心できます。
myph

りすぞう

所在地:東京都
2011年08月22日 11:03

グラビア様

早速の回答、どうもありがとうございます。 

Q値、C値なども一通り聞いて、2x4のロックウール9?で納得しています。南関東在住で、それほど高気密・高断熱にはこだわっていません。冷・暖房費がかさむのは、1年のうちたった4か月程度だからです。全館空調導入予定なので、夏の高湿度もそれほど心配していません。

2x4−>2x6 を検討しているのは、1階天井を高くして解放感をたかめたい、ただそれだけです。 天井を高くするには、2x4では強度的に不可なためです。 ハウスメーカーの言う、「ロックウールをきっちり貼るので、隙間があっても落ちてくることはない、よって、断熱・気密性能には、ずっと差がない」というコメントが信じられないので、こちらに質問してみました。

「2x6にロックウール9?+5?の隙間」が、ロックウールが下がってくるなどの懸念があるのなら、高い天井はあきらめようと思います。

もしこの点に関するアドバイスいただけると大変助かります。

よろしくお願いいたします。   
myph

クラビア

所在地:新潟県
2011年08月22日 19:29

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

福地さんが,とても良いフォローをして下さいました。
さて,りすぞうさんがお尋ねの件ですが,2×6に90ミリのロックウールというのは,私は見たことがないので,実際に,断熱材が垂れてくるのかどうかは,断言できないというのが正直なところです。
貼り付けるとはどのように貼り付けるのでしょうかね。
タッカーで断熱材の袋の耳を留めるということでしょうか。
2×6は主にカナダで建てられてきましたが,壁一杯に断熱材を入れるのが普通です。
最近はこれに加えて,外側に50ミリ厚のボード系の断熱材を付加するのが標準になりつつあります。
140ミリの充填+50ミリの外貼り断熱というわけですね。
断熱材が垂れるケースに付いては,壁内結露の為,断熱材が水を含んで重くなり,その重さで垂れ下がるという流れになりますが,この種の物件は幾つも見てきました。
一つ考えてほしいのですが,2×6に90ミリの断熱材を入れると,残りの空間は空気が入ることになりますね。
そして,空気は湿気を含みます。
夏に,室内で冷房を続けると,その湿気はどうなると思いますか。
一番冷えたところで結露する恐れが出ます。
そして,それは壁の室内側というわけで,これが夏季型逆転結露です。
福地さんも書いておられますが,大空間,吹き抜けの間取りは,断熱材90ミリでは冬は寒くなりますよ。
また,目一杯暖房すると,一階と二階の温度差が激しくなります。
断熱材90ミリで建てるのであれば,できるだけ部屋は小さく,して,部屋ごとの個別暖房,個別冷房で対応されると,省エネになると思いますし,これが従来の日本のやり方でした。
先進国ではできるだけ断熱性と気密性を高めて,家全体で暖房,冷房するという方法が取られています。
その方が,家の中でヒートショックが起きないので,長生きできる家にもなります。
myph

りすぞう

所在地:東京都
2011年08月24日 09:52

グラビアさま

再度の回答ありがとうございます。
断熱材、奥が深く簡単ではないことが良くわかりました。
もう一度原点にもどっと良く考えようと思います。

ありがとうございました。