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[3318]頑丈な家って・・・

質問者:みる / 最新の回答・ご意見者:みる / 回答・ご意見数:2件
カテゴリ:構造・建材 / 2011年10月17日 14:06

震災があったこともあり、頑丈な家にしたいと思いハウスメーカーと話し合ってきました。
今、基礎工事中です。
ちなみに同じ会社で三棟ほぼ同時に建設しています。

現場を見に行ったときにちょうど担当者がいて、いろいろ話した中で気になることがありました。

他の二棟は標準仕様で、筋交い合板なしです。
家が軽いため基礎のホールダウン金物が4〜5本で済むし、地震が来ても家が揺れて力が分散されるので、あってもクロスに亀裂が入るぐらいだろうとのこと。

私の家は、筋交いプラス構造用合板をつけてもらいます。
家が頑丈で重いので、ホールダウン金物も20本使う。地震の時は家はあまり揺れないだろうけど、基礎部分に相当の負担がかかるため、最悪基礎に亀裂が入る可能性はあるとのことでした。

えっ!?筋交い合板入れないほうがいいの?っと思ってしまいました。
基礎に亀裂が入るなんてやばいですよね?

ちなみに、地盤はしっかりしています。地盤調査済。

これまでの回答・ご意見数2

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2011年10月17日 15:54

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

えっとですね、、、本気で解説をはじめると、「論文」になっちまいますんで、、、かいつまんで。。。

同じ地震でも、建物全体の荷重が重たいか、背の高い家の方が方が、より多く、力が加わります。水入りバケツを振り回すと、水の量が多いほど、腕を伸ばせば伸ばすほど、遠心力がかかりますよね。。あれと同じです。

それに対抗する耐力壁は、スジカイであったり構造用合板であったりしますが、ようは、その地震力に応じて耐力壁を入れればいいわけで、トラックと軽自動車では、たぶん、トラックのブレーキ性能の方がいいでしょう。。そんなイメージです。軽い家の方が力が分散される、、、って言うのは、ちょっと、、、、言い方が違うように思います。多少、知ったかぶりをされたのかな?(笑)

実際に「揺れる」「揺れない」は、その担当者さんも誤解しているようですが、実際に計算してみると、所定の耐力壁を入れている限り、結果は実務上ほとんど変わらないと言っていいと思います。震災の時に少々話題になった「固有周期」(今回の震災時は大変長かったようです)に影響されますので、建物荷重や地震力と単純に比例する訳ではありません。

トラックのブレーキ性能をUPしたのですから、ブレーキそのものも、結構、頑丈になります。ホールダウン金物が多くなるのはそんなイメージでしょうか?

さて、問題の基礎ですが、仮に超巨大地震が来て、ダメージがあったとしましょう。。。その場合、基礎が壊れる前に、たぶん、そのホールダウン金物の部分、耐力壁を止めているスジカイの接合部分、あるいは面材耐力壁を止めている釘、、、そのあたりが一番先に壊れてしまいます。その時点で、耐力壁が無い状態と同じになりますから、更に揺れると、家全体が壊れてしまいます。よって、「地震による」基礎のダメージが発生する前に、そもそも家が壊れてますよ。。という事ですね。

ですから、ホールダウン金物や耐力壁に関しては、所定通り、施工しなさい。大事なんですよ。。。。となります。

基礎に関して言えば、ご説明した通り、地震によってヒビ割れる可能性は、そもそもその前に家が壊れているジャン。。って事ですからむしろ、長期に渡り、変な力が加わる事が恐ろしいです。その点、地盤はいいという事ですので、安心ですね。

こんなんで、、宜しかったでしょうか?
myph

みる

所在地:茨城県
2011年10月17日 18:44

早速のご回答ありがとうございます。
とても詳しく書いていただき、感謝しています。

基礎に亀裂が入るくらいの力が加わるならば、家自体が崩れちゃうよって事ですね。
私の地域は今回の地震で震度6でしたが、地盤がよっぽどいいのか被害はほぼない状況です。
って事は、大丈夫ってことですよね?

担当者の意見を聞いているとき、筋交いや構造用合板までいれることないのに・・・って聞こえてきてしまって。
入れることは無意味なのか・・・と思ってしまいました。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者
myph

クラビア

所在地:新潟県
2011年10月17日 18:53

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

栃木さんが良い回答をして下さっていますので,理屈は省略させて頂いて,実態をお知らせします。
近年の新潟の二度の地震(中越地震と柏崎沖地震)のボランティアで色々と見てきました。
太い柱,筋交いはダメでした。
大震災では太い柱もホゾのところで折れますし,筋交いも折れたり飛び出したりして家を守ることはできませんでした。
中越は豪雪地帯で極太の柱を使っていましたが,それでもダメですね。
私の友人の築100年以上前の古民家も酷い有り様でした。
強かったのは2×4でした。
こちらはクロスにヒビが入った程度でほぼ無傷でした。
地震に対する強さは壁倍率で評価するのですが,ちなみに,筋交いは1本に対して,1,二本×印に入れて2になります。
それに対して,構造用合板を1枚貼ると,壁倍率は5になります。
つまり,筋交いよりも構造用合板の方がはるかに強いということですね。
ということで,みるさんの選択は正解でした。
なお,本当に地震に強い家に付いては,免震がベストです。
いわゆる制振は無いよりはマシという程度でしょうか。
myph

みる

所在地:茨城県
2011年10月17日 21:27

リアルなお話を聞けて、とてもよく分かりました。
ありがとうございます。
正解とおっしゃっていただけたので、ホッとしていると同時に、家が出来上がるまで前向きな気持ちでいられそうです。