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[3424]RC戸建住宅の鉄筋かぶり厚について

質問者:鮫五郎 / 最新の回答・ご意見者:鮫五郎 / 回答・ご意見数:2件
カテゴリ:工事ミス・トラブル / 2011年10月27日 10:36

RCの一戸建住宅を建築中の者です。
現在、コンクリートの躯体を打ち終わったところです。

先日、第三者機関が
躯体に対して鉄筋の被り厚の調査を行った(非破壊検査) ところ
10mmや15mmという箇所が何箇所もあり(設計被り厚は40mm)
 (ちなみに、その反対側は 80mmや90mmの被り)
施主としては非常にショックを受けております。

まずは、このようになった原因を探りたいのですが

工事写真で、コンクリート打設直前の、型枠と鉄筋の配置を見る限りでは
適正な被りがありそうに見えるので(絶対ではありませんが)

素人が想像するに
コンクリートを流し込む時に、ドロドロのコンクリートが鉄筋を一方に寄せてしまったのか、と
考えるのですが、如何でしょうか?

となると、施工管理のミス=施工精度が低いこととなり
被りだけの問題ではなく
他の事についても全て、この施工業者の施工精度を疑う必要が出てくるので
今後の対策も変わってきます。

ご見解をお聞かせ頂けると助かります。
よろしくお願いいたします。

これまでの回答・ご意見数2

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2011年10月28日 13:47

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

かぶりに関して、確かに「規定的」には数字は出てきておりますが、RC住宅の、特に「壁」に関しては、それほど神経質になられなくてもいいような気がします。かりに、その壁の上に何か仕上げ(タイル張り、乾式のサイディング張りなど)があれば、少なくとも耐力的な心配は無用と思います。ただ、鮫五郎さんの気持ちの問題が大きいと思いますので、仮に1mmでも規定違反は嫌だ、、という事であれば、間違いなく「かぶり不足」ではありそうですね。


かぶりが取れなくなった施工上の要因としては、たぶん「セパレーター」の量的不足かと思います。

>他の事についても全て、この施工業者の施工精度を疑う必要

これも、考え方で、型枠大工さん、鉄筋屋さん、打設屋さんの施工精度が悪いからといって、内装が悪くなるかと言えば、さにあらず、、、、、。ほとんどの場合、現場を管理担当するいわゆる現場監督さんの、「性格」「スキル」が全体の施工精度に影響すると思います。

蛇足ですが、

>第三者機関が
躯体に対して鉄筋の被り厚の調査を行った(非破壊検査) ところ

との事で、超音波スキャナーなどを使った測定かと思いますし、相応の費用が掛かったことと推察いたします。できる事であれば、今後は「事後」ではなく「事前」にチェックいただけるような体制を取られる事をお勧めします。我々、設計事務所が「設計・監理」として業務依頼いただいていれば、事前チェックを行うのですが、たぶん、、何らかのご事情があったのでしょう。きっと「設計・施工」体制なのだと思います。

ご依頼された、第三者機関と称する会社が、設計事務所登録していれば、事前のチェックも含めてご依頼されてはいかがですか?「事後」ですと、施工者も手直ししたくても、遅かりしで、、、、それがまた、トラブルの火種を大きくする要因になります。施主、施工者、ともに安心するために、事前のチェックをお勧めします。
myph

鮫五郎

所在地:福井県
2011年10月28日 16:36

栃木様、ご丁寧なご回答に厚くお礼申し上げます。
こちらの説明不足もあったため、少し補足させていただきます。

>特に「壁」に関しては、それほど神経質になられなくてもいいような気がします。
>かりに、その壁の上に何か仕上げ(タイル張り、乾式のサイディング張りなど)があれば、少なくとも耐力的な心配は無用と思います。


・この家はラーメン構造で、柱は6本、
・今回被り厚不足が発覚したのは壁ではなく、中心の一番太い柱でして、
・その柱の約3割の箇所で被り不足になっています。
しかも打ち放しなのです・・・・・

>今後は「事後」ではなく「事前」にチェックいただけるような体制を取られる事をお勧めします。我々、設計事務所が「設計・監理」として業務依頼いただいていれば、事前チェックを行うのですが、


本当におっしゃるとおりで、「監理依頼をしておくべきだった」と思っております。 しかし当初は「そういうことがまさか自分の物件で起こるはずはない」という甘い考えでした。 深く反省しております。


>型枠大工さん、鉄筋屋さん、打設屋さんの施工精度が悪いからといって、内装が悪くなるかと言えば、さにあらず、、、、、


今私が心配しておりますのは、「この柱でこんなに被り厚不足箇所があるなら、他の柱や壁でも、同様の可能性があるのでは?」 という懸念で
それ故「少なくとも他の柱は同様に調査すべきではないか?」 と考えております。

費用はかかりますが止むを得ません。(耐用年数が減る等、質の悪い建物になったり、将来トラブルが生じるよりはマシと考えております)。
そして被り不足箇所を全て洗い出して、それなりの処置を施してもらうのは施主として当然のことと考えます。

しかし家族の中には「そこまで疑っても仕方ない」と、更なる調査に消極的な者も居り、恥ずかしながら家族内でも方針が統一できず困っております。

最後は愚痴のようになり恐縮ですが
上記補足を含めた上でご意見をいただけたら幸いです。宜しくお願い申し上げます。
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2011年10月28日 18:24

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

>、「この柱でこんなに被り厚不足箇所があるなら、他の柱や壁でも、同様の可能性があるのでは?」


う〜ん、、、、、、可能性としては当然、あるでしょうねぇ。。「梁」も含めて。。

>少なくとも他の柱は同様に調査すべきではないか

私が監理者で、仮にこのような事態になった場合は、一旦、工事を止めて、施工者負担で、まず、全てのチェックをさせるかもしれません。現況の認識をしないで、対策は打てませんから。。。

建て前としては、、そうなります。

ただ、、ここからが、デリケートなお話です。

再調査をかければ、当然、不具合のある箇所は、大なり小なり、出てくるかと思います。で、それに対しての対策ですが、私が知る限り、有益と思える対策はありません。今の設計(デザイン)のまま、、というのは、ほぼ無理ですし、さて、、本気で対応しようとすると、壊さなきゃできない。。。という事です。

ここで、一般の方は、じゃ、そうしてよ。。となりますし、その論法もそれはそれで、理解できるのですが、これもまた、私が知る限り、施工者が要求通りそうした、、、という例は聞いたことがありません。双方、争議になり長期化するか、契約解除で、結果としては、何もできていない建物の残骸が残っている。。。という方向でしょう。本気で喧嘩になった場合、和議の上、その後順調に進んだ、、という、例はまず無いと思います。

ようは、、、その覚悟があれば、、、調査、その覚悟がなければ、更なる調査は行わず先方の、打開策案の提案を受けて、どうするか検討する。。というところでしょうか?

あまり技術的論議をしても意味がありません。調査するというのは、こちらにそのつもりが無くとも、結局は不備を探す事に他なりませんから、その後、喧嘩になるのは必至です。

大人の判断として、先を見据え、「現実」と鮫五郎さんの「お気持ち」とのすり合わせができるかどうか?折り合いがどのあたりでつけられるか?が肝かと思います。

ただ、、これもまた、技術者としてはいかがなものか?と顰蹙をかいそうですが、それこそあまり神経質になっても・・・(^m^;;という気もします。先だっての震災で、仙台の郵便局が、「脆性破壊(ぜいせいはかい)」を起こし、崩壊しましたが、これも、過去の設計方法によるもので、余力がほとんどありませんし、我々の言い方で粘り強く無い構造でした。昨今の設計法に基づいた計算は、かなり余力がありますので、かぶりが少々足りなくて、多少、耐力が落ちていようとも(仮にですよ)、あまり、ご心配になられる事はないのかな?と、、乱暴な言い方をしておきます。

ただ、地震があった場合、少々ヒビが入る可能性はありますので、その時には、塗装などで補修(無償で)する。。というような念書を取り、また、若干のペナルティーを工事代金最終支払時に相殺する。。。そんな落としどころで、協議されてはいかがですか?そうであれば、施工者も対応しやすいかと思いますよ。
myph

鮫五郎

所在地:福井県
2011年10月31日 13:47

栃木様、再度のご回答本当にありがとうございます。
理想論と現実論を聞かせていただき、素人にとっては非常に有り難い限りです。

建築に100%設計通りの施工は無いことは理解しているつもりですが、では施主として何点でOKとするか、が問題ですね。感覚的な話ですが精度が80%なら飲んだほうが現実的かと(内装などの安全性に関与しない点は別として)。
しかしそうは言っても、現状が果たして何%の精度なのかを判断するに至る十分な材料が揃っていないのが、また悩むところでございます。

今回頂いたアドバイスを元に再度熟慮し、現実的な路線を視野に入れつつ、施工者と交渉致します。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

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