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[3759]土台、柱の太さについて

質問者: / 最新の回答・ご意見者:竹沢 正弘 / 回答・ご意見数:3件
カテゴリ:構造・建材 / 2011年11月30日 22:07

新在来木造構法で新築を計画しています。
計画ては、土台・通し柱・菅柱は3寸5分角です。
構造上、3寸5分角で問題ないとは思いますが、柱は太いほうが建物の強度があり、地震に強いという意見もあるようです。
素人考えでは、4寸角にしたほうがより地震に強く、経年性変化にも強いように思われます。
また、工務店のホームページを見ると、土台・柱は4寸角が多く、4寸角を宣伝している工務店もあります。
土台・柱の太さと建物の強度(地震に対する強度)の関係について、お教え下さい。

柱・梁・桁等の構造材は集成材と無垢材を使用する計画ですが、国産の無垢材で、強度があり、リーズナブルな樹種をお教え下さい。

よろしくお願いします。

これまでの回答・ご意見数3

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
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栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2011年12月01日 09:42

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

構造に関してのみ。。。

柱の太さを標榜し地震に強いと広告しているメーカーなどがありますが、私見としては、いかがなものかと思います。
基本的には、「柱の太さ」と「地震に対する強さ」は、ほぼ相関関係はありません。
土台に関しても柱の太さに相当する巾があれば、、あとは、出来るだけ「硬い」材料であれば、少なくとも太さと地震に対しての強さとの相関関係はありません。
見た目が太い方が安心感がありますんで、一般の方々に対してプロモーションしやすい・・・というだけと考えています。

クラビアさんのおっしゃる2×4(面)と在来(線)の比較も、いろいろと論議の判れるところですが、かたちある物はいつか壊れます。壊れた時に、「全壊」してしまうか、「部分崩壊」で済むか、、、(いっつも風邪ひきさんだけど、重篤な病気にはならない、、のと、風邪などひかないけど、病気になったら必ず重い病、、、のどっちがいいですか?)の問題で、どこまでの地震を想定し、どの程度の壊れ方を想定するかで、結論が変わってきます。私はあまり意味のある論議とは考えていません。ご希望の間取りやコストパフォーマンスなどで、選択すべきでしょうが、それを一般の方に求めるのは酷ですね・・・(^m^;;;

床に関しては(水平構面と言います)1階床をいくら頑丈にしても、意味はありません。2階床と、、そして、ほとんどの工務店さんは気づいていませんが、いわゆる「桁レベル」での構面を頑丈にすると、地震には強くなります。

>柱・梁・桁等の構造材は集成材と無垢材を使用する計画ですが、国産の無垢材で、強度があり、リーズナブルな樹種をお教え下さい。

強度とコストを、相関関係として比較するのも無理があります。それが、できるようであれば、国内のメーカーさんのすべてが、同じ材料を使う事になります。部位や、間取りによって、適材適所。。。で、それをちゃんと選択できる能力がある設計屋さんを選ばれるのが、早道と思います。願わくば、「許容応力度計算」という、計算が出来る能力、、、あたりが、理想でしょうか。。。

個人的な思いとしては、お住まいの場所ですと、スギやアカマツ、カラマツなどが、産出されます。出来るだけ国産で地元産出の木材を使ってあげてください。和風であれば、スギ、、洋風であればカラマツ、、などなど選択肢はありますよね。(^▽^)
国産材を使うと、さまざまな優遇施策(補助金制度)もあります。

構造に関して、説明しだすと、教科書一冊必要になりますんで、、、このくらいで宜しいでしょうか。。。
myph

竹沢 正弘

瀬尾建設工業 株式会社
2011年12月02日 10:04

所在地:北海道羊蹄山の麓・倶知安町
URL:http://www.seo-ken.co.jp/
PR:「ウデより口が立つ」もので…

 私も、他の方々と同じで、四寸角だから「強い」とは言えないと、考えます。

 さらに、実は四寸角にするということは、細々と変更なり、注意点が発生します。

 たとえば、建築の基本は「芯」です。ということは、柱が太くなる分だけ部屋面積が圧縮されます。わかりますよね?
 通常のGW断熱材は、100mmです。三寸五分の柱の中にちょうどおさまるわけです。四寸角に入れるなら、隙間だらけに入れるか?特注で120mmにするか?それとも・・・・?
 この件は、断熱性能の強化のために、四寸角を選択することもありますので、一概には言えないのですが。(100+50で行うみたいですが)
 普通、木材の販売価格は、「体積」で計算します。ということは、木材の金額がその分かさむわけですね。それに見合う「何か」をどれほど得られるか?どれほど期待するか?になります。
 柱が四寸角、では、土台は?梁関係は?上の件にも関連しますが、梁の体積かける金額増加分を考える必要はあるでしょう?
 四寸で「梁」・・・・重いですよ。最近は「クレーン」で施工することが多いので、そんなでもない。と言いながら、構造計算でも、「自重」は、考慮しますよね?
 強度に関係ない部分ですが、「間柱」これも四寸でないと、おさまりません。
家全体が「四寸」仕様で、金額が動きますよ?

 と、脅かしておきます。

 最近は、構造金物で、これでもか!と固めます。
継ぎ手、仕口の強度は、恐れることは無いと思います。
木材本体の強度、断熱材の補強、建て主の自己満足度等、利点が無いわけでないですし、「ご予算」に余裕がお有りなら、止めさせる何ものもありません。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者
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クラビア

所在地:新潟県
2011年12月01日 08:14

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

論より証拠と申しますが,実際に,中越地震,柏崎沖地震で観察したのは以下の通りでした。
柱が太いか細いかに関わらず,いわゆる木軸工法の家の被害はかなりありました。
豪雪に耐える極太の柱を使う,築100年以上もたった古民家も見事にやられていました。
日本建築はどんなに太い柱を使ってもホゾの部分が弱点となります。
五重の塔などの免震構造の建造物は例外ですが,あれはモニュメントでして,住環境の観点で見て,人が住むことはできません。
一方,2×4や木軸パネル併用住宅の被害は軽微かほとんどありませんでした。
柱で構成される建物はどんなに太い柱を使ったとしても,構造的に線で持たせることになります。
それに対し,2×4やパネル住宅は面で持たせることになります。
よく,例えに使われますのは,ティッシュペーパーの箱でして,柱はなく,薄い紙だけで構成されていますが,どんなに揺すっても箱が壊れることはありませんよね。
それで,三寸五分の柱で家をお建てになるということでしたら,家の周囲を,構造用合板で覆う構造にすれば地震にはとても強い家にすることができます。
そして,一階の床,また二階の床も構造用合板で一体化した面構造にされると良いと思います。
もちろん窓の部分は構造用合板を張ることはできませんので,壁倍率に配慮して窓の大きさや位置を決定すると良いでしょう。
具体的には構造計算に長けた建築士にご相談になって下さい。
なお,頑丈な筋交いも,大地震では折れたり,飛び出したり,ちぎれたりしていましたので,線では無く面で家を構成するのが正解です。
あと,折角新築されるのでしたら,お住まいの地域は寒冷地になると思いますので,耐震性だけではなく,住環境にも注目されるといいと思います。
お薦めは高断熱高気密住宅でして,冬暖かく,夏涼しい,快適な家を造るには,熱損失係数,Q値,また隙間相当面積,C値,そして,遮熱係数, μ値などに配慮した家造りをされると後悔が無いと思います。