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[4232]都市計画にかかる土地にマンション建設はディベロッパーでは当たり前でしょうか

質問者:takkun07001 / 最新の回答・ご意見者:栃木 渡 / 回答・ご意見数:3件
カテゴリ:その他 / 2012年02月02日 18:19

2001年分譲のマンションを新築で購入しました。その敷地は昭和27年に都市計画で道路拡張が予定されており、購入時営業マンがさらっと説明したので迂闊に重大に考えず購入しました。最近、市より道路拡張の話がマンション側に言ってきて、改めて重要事項に目を通すと記載があり、敷地面積が少なくなり容積率がオーバーすることで既存不適合になる可能性があるとありました。
業者は重要事項説明書に記載があり、敷地も駐車場なので計画は妥当で住民の納得ずくで購入しているとの見解です。法律的には住民側はどうすることもできないようですが、マンション業者はこの様な開発を行うことは当たり前なのでしょうか。都市開発がある土地にあえて容積率一杯の建物を作ることはモラル的にどうかと思います。そのマンションは相場より安く売っていたわけでもなく、むしろやや高めの値段でした。自分の甘さが引き起こしたことですが、業界の常識というものをお教えください。

これまでの回答・ご意見数3

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
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栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2012年02月02日 19:07

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

あくまでも、「参考意見」として、、、

>都市開発がある土地にあえて容積率一杯の建物を作ることはモラル的にどうかと思います

何となく、「既存不適格」という言葉は、気持ち悪いですよね。こちらの意志に関係なく、犯罪を犯しているようで、、、。

ただ、事情として、「昭和27年」策定の拡幅予定に関して、2001年時点ですと50年前の都市計画でもありますし、「事業年度未定」という扱いだったのではないでしょうか?我々が、問い合わせをしても、「いつやるかは未定」「10年後かもしれないし、百年後かも、、、やらないかもしれない」としか答えてくれません。その場合、基本的には、「建物本体」が「予定道路」にかかっていない限り(正確には、木造、鉄鋼造などは建物本体もOKのはずです)、法的な問題は無いはずです。

また「既存不適格」という語感は悪いですが、「違法建築」という意味ではありません。建てた当時は遵法だったけど、今の基準には合っていない。。今の基準に合っていない=違法、、ではありません。あくまで「状態」を示す建築基準法用語です。

30年前の車が今の排ガス規制値には合っていないね、、、というイメージでしょうか?建ぺい、容積に限らず、例えば構造的には平成12年以前の建物は、日本中の建物のほとんどが「構造的」に「既存不適格」です。2001年の建物ですと、都市計画うんぬんに関わらず、既存不適格の可能性は大です。昭和56年以前に新築した建物は100%、既存不適格です。

分譲マンションの場合、将来的な増改築の可能性は限りなく「0」ですし、何か法的な行為を建物全体として行う場面は、大規模改修等でしょうが、「既存不適格」だからと言って、その行為が出来なくなる事もありません。今後、何か大きな不都合が発生するとも思えませんし、ましてや個人の利益を害する事もありません。

多分、道路買収に伴って、売買金額がマンションの持分に応じて分配する事になるかと思います。いくぶん、高かった購入金額も、それによって相殺される、、とお考えになってはいかがでしょう。

マンションの管理組合としては、減じた分の駐車場の確保などが近々の問題として行政との交渉事項にはなると思います。

「都市計画」は数十年〜百年単位の仕事です。一概に行政を責める訳にもいきませんし、分譲デベロッパーを責めるのも少々、酷なような気がします。






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takkun07001

所在地:福岡県
2012年02月02日 20:53

栃木様、ご回答ありがとうございました。
私は毎年年末にマンションの資産価値を不動産販売数社に査定してもらい自分なりに我が家のバランスシートを作っているのですが、今回そのような既存不適格になるという話を不動産業者にしました。今は比較的新しく資産価値は影響がないが、さらに20年から30年と経ってマンションの寿命を意識するような時点になってくると大きな影響がでる恐れが多分にあり得るとう話を聞きました。そのような時点になりますと、自分も高齢となりマンションを売って施設に入ろうとしてもマンションが売り叩かれて安値でしか売れないという恐れや、いざ立て替えとう問題が出た際に現在の戸数の住宅を建てられずニッチもサッチも行かなくなるという恐れがないかと思います。その意味で問題物件となるのではと考えています。この様な考えは考えすぎでしょうか。
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2012年02月03日 05:51

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

>年末にマンションの資産価値を不動産販売数社に査定してもらい自分なりに我が家のバランスシートを作っているのですが

すばらしい。。。その意識は重要ですねぇ。。

建築基準法や都市計画法は、毎年のように改正されています。平成12年には神戸の震災を受けて、構造規定が大改正されました。今回の震災を受けて、多分、地盤の液状化に関しての規定が近々、追加されると思います。その時点で、日本中の建物全てが、その手続きを行なっていないという意味で、「既存不適格」になります。すべからく、建物は、いつの日にか「既存不適格」になる運命です。あまり、今回の事が資産価値に「直接」影響を及ぼすとは思えません。多少、あったとしても、立地や築年による資産下落に比べて、はるかに小さい物と考えます。

マンションの建て替え問題は、今後、日本中で大きな問題になると思います。それは、既存不適格とは別の次元で、例えば、数十年経過すると、一次取得者がほとんど居なくなる、居たとしても高齢化のため建て替え費用が捻出出来ない、それゆえ、建て替え決議に必要な2/3の決議が得られない。。それが、前のお答えで申し上げた、増改築の可能性が、限りなく「0」ということなのです。全国的にも、老朽化したマンションが、上手く建て替えできた、、という例は稀かと思います。

マクロで考えた場合、日本の住宅ストックは既に、余っています。今後は、人口減少に伴い、デッドストックは更に増えるでしょう。そうなった場合、マンション、戸建て、土地、、、全ての不動産は、見事なくらい右肩下がりになるであろうと私は考えています。資産価値を保持できる物件は、立地条件に恵まれた、非常に限定的なものとなるでしょう。

その影響に比べれば、「既存不適格」などという「状態」をあまり気に病む必要は無いと思いますよ。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者
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クラビア

所在地:新潟県
2012年02月03日 00:39

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

一般論ですが,数十年経ったマンションは,どのような好条件の場合でも,資産価値はあまり期待できないのが実態だと思いますが。
現実に,数十年前のマンションが,現在幾らくらいで購入できるかを調べてみると予想が付くと思います。
新潟でもそのような物件はビックリするくらい安い価格で販売されていますが,それでも買い手が付きません。
仮に買っても,その後の修理費や管理料が大変になるからです。
残念ですが,鉄筋コンクリートの寿命は,最近の物件は30年くらいと言われています。
多額の費用を掛けて改修したものは,それなりに価値は出ますが,逆に言えば,その為にはかなりの出費が必要になるということです。
それで,将来,売る事をお考えでしたら,値下がりしないと思われる土地付きの一戸建てにお住まいになられるのが間違いないと思います。
一戸建ての場合も建物の価値はほとんど評価されませんが,土地の価値は評価されます。
それが,マンションの場合は土地は共同所有になりますので,その点が厳しいですね。
中古物件の評価が低いのは残念ですが,それが日本の現実です。
それで,気に入った間取りの中古物件の一戸建てが見つかれば,それを入手するのが割安で良い方法かもしれません。
競売物件をリフォームして格安で販売されている業者さんもおられますので,それも視野に入れて見られるのはいかがでしょうか。
いずれ売るつもりなら,マンションは値が付くうちに売ってしまうのが正解だと思いますが余計なことならすみません。