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[4975]東北地震後:ベタ基礎の下に隙間

質問者:トモヒロ / 最新の回答・ご意見者:トモヒロ / 回答・ご意見数:2件
カテゴリ:その他 / 2012年05月27日 11:34

はじめまして。

ご相談したい事は、杭打ちをしたベタ基礎の下に、
2011年3月の東北地震後に隙間が空いた事に対し、
今後どのように対応すればよいかを御教示願えればと思い、
メールさせて頂きました。
--
当方、2009年に茨城県南部に一軒家を建てました。
建築前の地盤調査(ボーリング)で、軟弱な地盤ということは
判明しておりましたので、杭打ちを行いました。

以後、あの大震災が発生し、他県でも被害が出た液状化が、
我が家にも起こっていないか(軟弱地盤なので)と思い、基礎周りを
掘り返したところ(ベースの下半分は、埋め戻しているので)、
手のひらが入る程度(2cm)の隙間が南側と東側にめぐっているのが
見つかりました。
北側と西側はガレージ等コンクリート打っており、この隙間が
基礎周囲で起こっているのか、また基礎の中央まで続いているのかは
判りませんでした。
(細い棒を突っ込むと、少なくとも40cm程度 隙間に入っていきます)

尚、家屋の方は、現時点で沈下や傾きといった事にはなっていません。

今後、永く住み続けるにあたりこの隙間に対し何かしらの補修工事
(何かしらで補充する?)を行うべきでしょうか?、或いは、このまま
(掘った土のみ埋め戻し、実質は杭のみでベタ基礎を支える状態)で
にして差し支えないでしょうか?


--
■御教示頂く折に、判断材料となり得る情報を以下に箇条致します。

(1)家屋:在来工法での木造2階建て(1階床面積=19.5坪)
(2)地質状況(土質とボーリング試験結果(N値))を下記
  ・0〜 -1m = 盛土
  ・-1m〜-2m= シルト(N値1)
  ・-2m〜-4m= 腐植土(N値1)
  ・-4m〜-7m= 粘土(N値1〜4)
  ・-7m〜9.5m= 粘土混じり細砂(4〜19)
(3)杭打ちは、8.3mのRCパイルを17本(荷重が掛かる柱の直下へ)
(4)ベタ基礎ベース厚は、鉄筋入りコンクリート300mm  

--
お忙しい中、大変恐縮ですが、非常に不安な状況でして、
何卒 ご見解を賜わりたく、宜しくお願い申し上げます。

これまでの回答・ご意見数2

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2012年05月27日 14:40

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

沈下と地震の因果関係は判りませんが、土質を拝見する限り、少なくとも「液状化」ではなさそうですね。普通に考えると、地震の影響というより、「自然に」沈下しているという事だと思います。杭を施工しておいて良かったですね。

で、肝心のお話ですが、一般的な設計上の考え方としては、「杭のみ」で充分対応できるよう、設計はしてあるはずです。私が実際に見た例でも、底盤の下に人が入れるくらい大きな空間ができていた例もあります(但しこの場合、杭がありましたので、地上部分に関しては何ら異変は認められませんでした)。
相当に大きなビルでも、実際に下の方を掘ってみると、多分、そこそこの空隙はあるはずです。そういった意味で、緊急の補修は必要ないと思いますよ。

ただ、空隙に雨水が入り込み、その空間は将来的にじわじわと大きくなるかと思います。現在、不同沈下は発生していないようですから(という事は充分に杭は効いているという事です)、しばらく経過観察されては如何でしょうか?

あとは、家そのものの寿命(30〜40年)と、いつまでそこに住み続けるか?、それと、基礎下の沈下、、それらの、どれが一番早く、おとづれるか?そのあたりの判断だと思います。

地盤屋さんなどに調査を依頼すると、彼らは商売ですから、当然、補修工事を勧めます。不安を無くすために行うのであれば、これは、私が何とも申し上げられませんが、工学的には、「まぁ、、そんなにあせらなくてもいいんじゃない?」という事でしょうか。。
myph

トモヒロ

所在地:茨城県
2012年05月27日 16:53

栃木様

早々に、しかも明快な回答を賜わり、大変有難うございました。
(日曜にもかかわらず、大変感謝申し上げます。)
心の中に突っかかっていたものが取れた気分です。
暫く経過観察をしてみます。

--
周囲は緑豊かな自然環境であり、又、よそ者を温かく迎え入れてくれた
この地域の輪も他所では得がたいものである為、
現在の家には出来る限り永く住みたいと考えております。

ご好意に甘えてしまって大変恐縮なのですが、
最後に もう1度だけ質問させてください。

--
(1)今後(たとえば10年〜20年後)、隙間が更に空いた、
  或いは 子供世代が住み継ぐ事になった、という場合、
  補修方法(工法)としては、どのようなものがあるのでしょうか?
  (不動沈下は起こらなかったという前提で)


(2)雨水でじわじわと隙間が大きくなる際、そこにあった土は、
  どこに行ってしまうのしょうか?
  (地下水にのって流れ去ってしまう?)

大変 稚拙な質問で申し訳ありません。

  
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2012年05月28日 09:28

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

空隙に入った雨水で土が流れる、、、のも多少はあるでしょうが、基本的には「締まる」と言った方が正確かと思います。渇いた鉢植えの土に水をかけると体積が小さくなりますね。同じ事です。また、粘土質の特徴は、時間をかけて徐々に「締まる」ところにあります。そういった意味で、長期に渡り徐々に地盤は沈降すると思われます。今回の事象も、その一端だと思います。沈下量の予測計算も出来ますが、その為には、大々的なボーリング、、1箇所数十万円を数カ所する必要があります。
これは、どの土地、どの地盤でも、少なからず起きる事象ですので、それに対応して杭を施工する訳です。

現在、流動化に対応するため、いろいろな「事後」の改良工法はあります。原始的に周辺を掘削し、底盤下に土を入れる工法から、発泡系の樹脂を注入する工法まで、雑多にありますが、どれを行うにしても1軒あたり2〜5百万円はかかるようです。

今後、廉価で簡便な工法も開発されるのでは無いでしょうか。。

経過観察をし、「全体的に」多少沈むのは、ある意味仕方ない事ですし、生活にそれほど支障ないと思いますので、まぁ、、無視するとして、建物のどちらか一方が極端に下がってくる、いわゆる不同沈下の状態が観察されると、これは、地盤の沈降と共に、一部の杭も下に向かって引っ張られている事になりますので、その場合は、処置が必要になるかと思います。
myph

トモヒロ

所在地:茨城県
2012年05月28日 20:46

栃木様

重ね重ね、大変有難うございます。

非常に解かりやすい例でのご説明で腹に落ちました。

隙間に関しては、今後じっくりと向き合いながら経過観測していきます。
(持病と付き合う感覚で気長に)

あとは、家が不同沈下しない事を切に祈るのみです。

本当に助かりました。


※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

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