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[5206]気密性

質問者:Deco / 最新の回答・ご意見者:クラビア / 回答・ご意見数:7件
カテゴリ:性能 / 2012年07月05日 22:58

こんばんは。
いつも拝見させて頂いております。

今年、知り合いの建設会社で、新築を予定しています。
建築予定地は北海道の中でも、最低気温はマイナス25度くらいになるような所で、雪も多い地域です。
新築にあたって、重要視したい項目が
冬でも、短パンTシャツで過ごせるような暖かい家、
暖房は薪ストーブ、いつも綺麗な空気が循環される換気システムです。

建築関係において、家の構造や建築材料など全くの素人なので、
設計屋さんに構造と材料を説明された時に、
それが最良なのかどうかを判断するため、どのようなシステム・構造が良いのか、また材料はどのような物を選択したら良いのかなど、ご指導、アドバイスをお願い致します。

・建築費 2000万円
・延べ床面積 35坪前後
・三角屋根
・2階は一部吹き抜け
・玄関は土間を広くとり、薪ストーブを設置

素人の質問で申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

これまでの回答・ご意見数7

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2012年07月06日 19:09

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

北海道の設計屋さんです。。。(^m^;

技術的なお話をしだすと、設計者の考え方によって千差万別、、いろいろな方法があります。

>それが最良なのかどうかを判断するため

なかなかね、、、それが判れば、私も苦労はしないのですが、、、

クラビアさんのおっしゃている、技術詳細も大事なのですが、そもそも、そのあたりにまで配慮できる設計者かどうかの見極めが肝要と思います。

設計者に簡単な質問をしてみてはいかがですが?

? Q値計算が「ご自分で」出来ますか?
? その時に、どの程度のQ値を目指しますか?
? その時のC値はどの程度をお考えですか?
? Q値計算の換気量に、熱交換換気は含まれていますか?含まれていませんか?

Decoさんのご希望を叶えるためには、最低でもこの程度の知識は必須です。

Decoさんが答えを知らなくても宜しいのですが、(設計者によって、考え方は違います)これらの答えに「よどみなく」お答えになられる設計者であれば、合格点を出してもいいのでは?答えてはいるが、どうも、、、誤魔化しているくさい方、答えられない方は、、、おやめになったほうが無難ではないでしょうかねぇ。。。

北海道であれば、「BIS」という資格(断熱に詳しい)もあります(お持ちになってなくても、、いいのですが。。)

あまり、素人が(あえて失礼な言い方をします)技術的な事に固執するよりは、信頼のおける設計者を選ばれる事をお勧めします。
myph

Deco

所在地:北海道
2012年07月12日 22:12

ご返答頂き誠にありがとうございます。

栃木様が答えられたように、この4つの項目をまずはお聞きしてみようと思います。

そうですね。たしかに、素人が技術的な事に中途半端に質問するのは、設計士さんも良い気はしないですよね。人と人ですから、やはり信頼のおける設計士さんに書いてもらうのが一番だと私も思います。が、やはり経験や技術のある方に書いていただきたい(希望に沿った)気持ちもあります。

とにかく良い設計士に出会いたいです。

素人質問に分かりやすくお答え頂き本当に感謝致しております。
また、ご相談に乗って頂ければ幸いです。

ありがとうございました!



myph

竹沢 正弘

瀬尾建設工業 株式会社
2012年07月07日 08:54

所在地:北海道羊蹄山の麓・倶知安町
URL:http://www.seo-ken.co.jp/
PR:「ウデより口が立つ」もので…

 クラビアさんにしろ、栃木さんにしろ、すばらしい回答を寄せてくださってます。ここで、私が何か?と言う場面ではないのは、重々承知した上で、一言だけ。

 机の上の「設計」、「理論」・・・・と、現場の「現実」は、どうしても、隔たりが出ます。それが、どの程度か?と言うことには、ケースバイケース、たずさわる技能者の技量などに左右されます。

 ここで、Decoさんの希望を見させていただくと、

>暖房は薪ストーブ、


 これは、取り付ける「ストーブ本体」
それの特質を良く理解した「設計者」
その欠点を防ぐのに必要な技術的ノウハウを理解し、確実に施工できる「施工者」
実際に、確実な技能を持って、施工する「現場技能者」

 どこがかけても、問題点が確実に出ます。出る場合は、体感的には寒い方に出るでしょう。すきま風が大きいように出る可能性が大きいと推測します。
 最悪は、「不完全燃焼」あるいは「換気不良」で、いのちの問題も予想できます。
 今からでも、変更できるならば、変更がおすすめだと思います。

 
 住宅の高気密化が進めば、「わずかな隙間」からの風は、相当な速度の風として体感します。
 「薪ストーブ」を使用するがために、必要とされる新鮮な空気は、通常「FF暖房機や、蓄熱暖房機」などと比べて、多量になります。
 ご希望の通り
>いつも綺麗な空気が循環される換気システム

 は、クラビアさんの言われるように、通常よりも多めの換気量を必要とするでしょう。

 どうひいき目に考えても、施工ミスではない程度の「微少な隙間」は出来ます。
それからの風は、「音を立てて、冷たい」風として、体感されるでしょう。
myph

Deco

所在地:北海道
2012年07月12日 22:19

竹沢様、ご返答ありがとうがざいます。

やはり薪ストーブはいろいろとリスクがあると言う事なんでしょうか?
竹沢様は、薪ストーブはあまりおすすすめしませんか?

【暖かい家】が一番の希望なので、それにはミスマッチなんでしょうか?

質問ばかりですいません。

宜しくお願いします。
myph

竹沢 正弘

瀬尾建設工業 株式会社
2012年07月13日 16:54

所在地:北海道羊蹄山の麓・倶知安町
URL:http://www.seo-ken.co.jp/
PR:「ウデより口が立つ」もので…

 なぜ、「薪ストーブ」を望まれているのか?
その理由付けによって、今後の回答が変わると思っています。

 単純に「ノスタルジック」な意味合いで、「薪は、やっぱり良いよね〜〜〜〜」であれば、
>冬でも、短パンTシャツで過ごせるような暖かい家、
>暖房は薪ストーブ、いつも綺麗な空気が循環される換気システムです。

に関しては、「高気密」はあきらめてください。最悪は「いのち」に関わります。
 薪であろうとも、石油であろうとも、「高断熱」の住宅であれば、昔のように「ストーブがまっ赤になるまで」焚かなくとも、十分に暖かいと思います。
 換気システムにたよる換気ではなく、自然換気でも、十分に(生命に危険のない)換気を取れる必要があるのではないでしょうか?
 なまじ?高気密にすると、
 薪(最新式とはいえ、密閉式にはほど遠い)を焚くということ、十分すぎる換気を望まれていること、これらのために「必要な新鮮空気」の量は、莫大に大きなものです。通常にプランされる暖房計画に比して。
 その莫大な「空気」が、室内で引っ張られる。わけで、
その時に、「高気密」状態だと、
 本当に微細な隙間から、笛のように音を出して風が走る。
という危険性を考えました。
 変な話ですが、隙間が大きいと、すきま風は「そよそよ」になり、風として感んじづらくなります。もちろん、熱的には不利ですが、体感的には、寒くはないのです。

 決して、全否定はしません。
私も、「ログハウス」「薪ストーブ」・・・・・夢としては、ありますもの。
「ノスタル爺さん」で、昔を懐かしむ思いもありますけど。
 
myph

Deco

所在地:北海道
2012年07月27日 21:34

ご返信遅くなり大変失礼致しました。
ご返答頂き誠にありがとうございました。
分かりやすいご返答で大変勉強になり、今後の参考にもなりました。

【暖かい家】にするには、高気密と高断熱はセットのものかと思っておりましたが、高気密を諦めて、高断熱のみでも十分に暖かい家として成り立つのでしょうか?
素人質問で申し訳ありません。
宜しくお願い致します。


myph

竹沢 正弘

瀬尾建設工業 株式会社
2012年07月28日 15:04

所在地:北海道羊蹄山の麓・倶知安町
URL:http://www.seo-ken.co.jp/
PR:「ウデより口が立つ」もので…

 斎藤さんには、思いっきり叱られそうな、回答をしていたかもしれません。

誤解を恐れずに言わせていただければ、(遠回しに言い過ぎてましたか?)
「薪ストーブ」は、やめなさい。・・・ということです。
高気密にならない・・・・高断熱は意味ない・・・・やめなさい。

 風が吹けば桶屋が儲かる・・・・みたいな、回りくどくない、話です。

 確かに、今の「薪ストーブ」は、輸入品をはじめとして、良いものが多いと思います。
 昔、我々が(北海道の人ならわかる)ルンペンストーブを真っ赤になるほど、焚いていた。それほどでなくとも、十分に暖かくする事は、可能です。
ただ、「家の性能」で、暖かくするのは、制約が多すぎる。のです。

基本的に、「軽い気持ち・軽い覚悟」で、設置・使用できるものではありません。し、できません。
 極度に「趣味性」の高いものです。簡単に考え、夢の延長で夢の中の話では、通用しません。

 それを、良くご検討ください。

 その一つが、「当たり前」の高気密・高断熱の住宅にはなりません。し、できません。と、言いたいのです。
 
myph

Deco

所在地:北海道
2012年09月05日 22:07

ご返信遅くなり大変失礼致しました。

薪ストーブは、私の望んでいる性能とは大きく違う事、趣味性の高いものと分かりよかったです。

大変勉強になりました。
ありがとうございました。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者
myph

クラビア

所在地:新潟県
2012年07月06日 08:04

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

詳しく解説すると,本1冊でも足りるかなという内容になると思いました。
それで要点だけを記しますと,以下の通りです。
○熱損失係数は設計の段階で確認できますので,Q値にして,1前後,できれば0.7を目指すといいと思います。
○気密性に付いては,住宅完成後,気密測定を行って,C値にして0.5前後,できればそれ以下だと良いと思います。
○換気に付いては,住宅の気積に対して,0.5回換気が義務づけられると思いますが,きれいな空気を目指すのであれば,住人一人に対して,1時間あたり,30立米の換気がなされるように設計し,そして完成後,それが確保されているかどうかを測定すると良いでしょう。つまり夫婦二人が休む主寝室には1時間あたり60立米の換気が保証されているときれいな空気が確保できます。
なお,換気システムは熱交換式が熱損失の面では有利ですが,メンテナンスのしやすさを確認して下さい。,換気システム本体を天井裏に設置した為に,何年間も放置されているケースをしばしば観察します。熱交換タイプは毎年,フィルターを交換することが大切です。
○暖房に付いては,薪ストーブを指定しておられますが,その場合には,高断熱高気密住宅用の薪ストーブを採用されることが肝要です。恐らく,北欧あたりの輸入品が該当すると思います。少なくとも,薪ストーブ自体が密閉式になっており,ダクトによる外気導入式,排気は煙突でという形式になるでしょう。
室内の空気を吸い込んで,煙突で出す形式もありますが,高断熱高気密住宅には馴染みません。これはコールドドラフトの可能性があり,冬は換気の一部として使えますが,夏の対策が必要になります。
具体的に商品名は出せませんので原則だけを記しましたが,上記の点に留意されれば,大体,ご希望の家を実現できると思います。
なお,依頼される業者で,熱損失係数が不明,気密測定は行わない,換気に付いては確認しないというようであれば,やめておく方が無難でしょう。
近年は,これを確認しないで,あとからトラブルになるケースが散見されます。
myph

Deco

所在地:北海道
2012年07月11日 23:30

ご連絡が遅くなり、大変失礼致しました。
素人の質問に、わかりやすく答えて頂き、本当にありがとうございました。

まずは、アドバイス通りに進めていこうと思います。
これから設計に入るのでクラビアさんの言われた項目を投げかけてみようと思っています。
今後も、素人質問が多くなりますが、ご相談にのっていただければ幸いです。
そのときは是非よろしくお願いします。

この度は、ありがとうございました。
myph

クラビア

所在地:新潟県
2012年07月12日 23:24

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

薪ストーブは,外気導入式なら,高断熱,高気密住宅でも採用することができます。
北欧製と書きましたが,もしかすると,米国製にこの種の物が多いかもしれません。
ただ,ストーブ自体はそれほど精密に作られているわけではありませんので,換気や煙などの面でのトラブルが皆無と言えるかどうかは,やってみないと分からない面もあります。
もともと,薪ストーブは高断熱,高気密住宅用の暖房器具として発達してきたものではなかったからです。
高断熱,高気密住宅の暖房器具としてお薦めできるのは,パネルヒーターや床暖房でしょうね。
北海道なら灯油ボイラーで温水を循環させるタイプがいいと思います。
ともかく,薪ストーブと比べると,面倒が無いですよ。
薪ストーブは,薪割り,火付け,燃えかすの灰の除去,煙突掃除とやることがたくさんあります。
そして,市販の薪は灯油よりも割高になります。
廃材(建築廃材は化学処理されているものはダメ)が豊富に入手でき,趣味で火を燃やしたい人なら大丈夫でしょう。
あと,住宅密集地では近隣の苦情にも留意する必要があります。
火の粉が飛んだり,煙が出たりと結構面倒が多いです。
北海道なら大丈夫でしょうかね。
恐らく竹沢さんはこのあたりのことを心配されているのだろうと思いますが,私も同感です。
特別な思い入れが無い限り,薪ストーブは積極的にはお薦めできません。
山奥の隙間だらけのログハウスで,倒木がたくさんある所なら,とてもいいかもしれません。
myph

Deco

所在地:北海道
2012年07月27日 21:28

ご返答遅くなり大変失礼致しました。
ご返信頂き誠にありがとうございます。
薪ストーブについてかなり勉強になりました。

ちなみに、灯油ボイラーで温水の循環とありましたが、電気のシステム(オール電化等)はどうなのでしょうか?灯油のメリット等教えて頂けたらなと思います。宜しくお願い致します。

ちなみに現在予定している土地のガスはプロパンガスなので、ガスシステムは選択には入らないのかなと勝手に思っていますが、その辺の選択等もご教授頂きたく思います。
myph

クラビア

所在地:新潟県
2012年07月29日 12:16

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

気密性と暖かさの関連に付いてお尋ねされていますので,一言。
既に皆さんの解答されている通りですが,気密性は必須事項です。
完成時に気密測定を行って,隙間相当面積は1cm2/1m2を目指して下さい。
0.5以下ですと理想的です。
先進的なビルダーはこれを実現しています。
この性能を求める理由は,隙間相当面積が大きいと,冬季暖房時に,熱が隙間から逃げてしますからです。
二階建ての場合,温かい空気は比重が軽くなるため,二階の隙間から逃げ出そうとして,一方,一階の隙間から外気が入って来ようとします。
一種の煙突効果ですね。
薪ストーブの問題は,換気計画と完璧に切り離して機能する機器があるかどうかという問題でして,私が調べた範囲ではどうも,適当なものが見つからないのですね。
外気導入式にしても,どうも,機器そのものの気密性に疑問があるようでして。
薪ストーブ自体は強力な上昇気流を発生させますので,ストーブや,外気導入のダクト,また,煙突の気密性に問題があると,換気計画を狂わせる原因となります。
結局の所,SLと新幹線をコラボするようなものでして,かなり難しいように思いました。
仮に,薪ストーブ本体で完璧に気密が取れるようなものがあれば,教えて欲しいところですね。
物理的には作れないことはないと思いますので,実際にあれば面白いですね。
myph

Deco

所在地:北海道
2012年09月05日 22:27

ご返信遅くなり大変失礼致しました。

私の望んでいる暖かさが、薪ストーブと気密性と暖かさの関係が上手くいかない事がご丁寧な解説で分かりました。

完璧な気密ができる薪ストーブが出てきた時はまた考えてみたいなと思いました。

この度はご教授ありがとうございました。