何度もすみません。別な質問です。
冬場に太陽光を取り入れてなるべく暖房の不可を減らしたいと考えています。
そこで質問ですが、太陽光が入ったときに床材が黒の方が家が温まりやすいのでしょうか?
それとも白系でも反射して壁などが最終的に吸収してトータルとして考えれば室内の取得温度は変わらないのでしょうか?
詳しい方いましたらご教授願います。
冬場に太陽光を取り入れてなるべく暖房の不可を減らしたいと考えています。
そこで質問ですが、太陽光が入ったときに床材が黒の方が家が温まりやすいのでしょうか?
それとも白系でも反射して壁などが最終的に吸収してトータルとして考えれば室内の取得温度は変わらないのでしょうか?
詳しい方いましたらご教授願います。
これまでの回答・ご意見数1件
アドバイザーからの回答
アドバイザー 相談者※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見
一般ユーザー 相談者クラビア
所在地:新潟県
2013年02月14日 17:11
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家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優
物理学の世界で,黒体輻射理論というのがありまして,要するに黒いもの程,熱を良く吸収し,そして,同時に良く発散するという現象があります。
それで,床の色を黒くする方が,明らかに熱の吸収率は高まります。
床が白い場合はその反射を壁や天井が吸収することはありますが,この場合も同様にその色が問題になります。
つまり床を白くしても,壁や天井を黒くしておけば,熱の吸収の面では,総体としては大して差が出ないと推察できます。
しかし,床や壁や天井が,全て白い状態ですと,最後は窓から熱を外に返してしまうことになるでしょう。
イメージとして考えてほしいのですが,床,壁,天井を全て鏡で造った箱を想像してみて下さい。
この場合,窓から入った光は,ほとんど外に出てしまいます。
つまりエネルギーの吸収はありません。
さて,ここまでの話には,窓ガラス自体の熱の透過性や断熱性の視点が抜けています。
本来はこの種の問題を評価するには,窓ガラスの性質を考慮しなければなりません。
ガラスの種類によりまして,可視光線を通しやすく,赤外線を通しにくいガラス,いわゆる遮熱ガラスが市販されています。
この種のガラスは太陽からの赤外線は遮蔽してしまうので,熱吸収の面では不利になりますが,室内からの熱の放射は防いでくれます。
さらに,窓ガラス自体の熱伝導も視野に入れなければなりません。
ガラスの熱伝導率はとても高い物質なので,一枚ガラスで熱損失を防ぐことは不可能です。
これはガラスのコップに湯を入れて,手で持ってみると直ぐにわかります。
それで,断熱性の面でガラスは必ずペアガラスにする必要があります。
この場合,空気層の厚みが性能に影響を及ぼしますので,できましたら,空気層は12ミリから19ミリの厚みのペアガラスを選んで下さい。
同時に,サッシは樹脂サッシか木製サッシが必要です。
ということで,冬季の日射取得をお考えであれば,室内は暗めの色にしておいて,窓には樹脂サッシか木製サッシのペアかトリプルガラスのサッシを採用されることです。
経験的には,遮熱ガラスよりも,素ガラスのペア,トリプルの方が,日射取得の面では有利な感じを持っています。
一方,夏場はこれが逆に働きます。
あと,蓄熱性も重要な要素の一つです。
具体的には,床のフローリングの下を分厚いコンクリートにするとか,壁の内装の中に分厚いコンクリートを充填するとかして,十分に熱を溜め込むと,深夜になっても冷えない家ができあがると思います。
この種の壁をトロンプ壁と言いますが,興味がありましたら調べてみて下さい。
最後に建物全体の熱損失係数はとても大切な要素です。
これはQ値という性能値で評価されますが,Q値が0.7位になりますと,先のような日射取得の面で工夫をしますと,寒冷地でも日当たりの良いところでは,暖房をほとんど必要としない家が造れるかもしれません。
ファズンさんのお宅は北海道のどのあたりでしょうか。
冬季の天気が良い地方であれば,色々と面白い工夫ができると思います。
あと,換気システムも熱交換率の高いものを選んでおくと,熱の温存の面では有利になりますね。
そして,気密測定は必ず行って下さい。
できればC値が0.5かそれ以下であることが望ましいです。
C値の性能が悪いと,冬季は煙突効果で熱が外に出てしまい,意外にも寒い家になってしまいます。
それで,床の色を黒くする方が,明らかに熱の吸収率は高まります。
床が白い場合はその反射を壁や天井が吸収することはありますが,この場合も同様にその色が問題になります。
つまり床を白くしても,壁や天井を黒くしておけば,熱の吸収の面では,総体としては大して差が出ないと推察できます。
しかし,床や壁や天井が,全て白い状態ですと,最後は窓から熱を外に返してしまうことになるでしょう。
イメージとして考えてほしいのですが,床,壁,天井を全て鏡で造った箱を想像してみて下さい。
この場合,窓から入った光は,ほとんど外に出てしまいます。
つまりエネルギーの吸収はありません。
さて,ここまでの話には,窓ガラス自体の熱の透過性や断熱性の視点が抜けています。
本来はこの種の問題を評価するには,窓ガラスの性質を考慮しなければなりません。
ガラスの種類によりまして,可視光線を通しやすく,赤外線を通しにくいガラス,いわゆる遮熱ガラスが市販されています。
この種のガラスは太陽からの赤外線は遮蔽してしまうので,熱吸収の面では不利になりますが,室内からの熱の放射は防いでくれます。
さらに,窓ガラス自体の熱伝導も視野に入れなければなりません。
ガラスの熱伝導率はとても高い物質なので,一枚ガラスで熱損失を防ぐことは不可能です。
これはガラスのコップに湯を入れて,手で持ってみると直ぐにわかります。
それで,断熱性の面でガラスは必ずペアガラスにする必要があります。
この場合,空気層の厚みが性能に影響を及ぼしますので,できましたら,空気層は12ミリから19ミリの厚みのペアガラスを選んで下さい。
同時に,サッシは樹脂サッシか木製サッシが必要です。
ということで,冬季の日射取得をお考えであれば,室内は暗めの色にしておいて,窓には樹脂サッシか木製サッシのペアかトリプルガラスのサッシを採用されることです。
経験的には,遮熱ガラスよりも,素ガラスのペア,トリプルの方が,日射取得の面では有利な感じを持っています。
一方,夏場はこれが逆に働きます。
あと,蓄熱性も重要な要素の一つです。
具体的には,床のフローリングの下を分厚いコンクリートにするとか,壁の内装の中に分厚いコンクリートを充填するとかして,十分に熱を溜め込むと,深夜になっても冷えない家ができあがると思います。
この種の壁をトロンプ壁と言いますが,興味がありましたら調べてみて下さい。
最後に建物全体の熱損失係数はとても大切な要素です。
これはQ値という性能値で評価されますが,Q値が0.7位になりますと,先のような日射取得の面で工夫をしますと,寒冷地でも日当たりの良いところでは,暖房をほとんど必要としない家が造れるかもしれません。
ファズンさんのお宅は北海道のどのあたりでしょうか。
冬季の天気が良い地方であれば,色々と面白い工夫ができると思います。
あと,換気システムも熱交換率の高いものを選んでおくと,熱の温存の面では有利になりますね。
そして,気密測定は必ず行って下さい。
できればC値が0.5かそれ以下であることが望ましいです。
C値の性能が悪いと,冬季は煙突効果で熱が外に出てしまい,意外にも寒い家になってしまいます。
FAZUN
所在地:北海道
2013年02月15日 19:39
クラビア先生
詳しい説明ありがとうございました。やはり黒がよさそうですね。
また、トロンプ壁も非常に興味が沸きました。
大変ありがとうございました。
詳しい説明ありがとうございました。やはり黒がよさそうですね。
また、トロンプ壁も非常に興味が沸きました。
大変ありがとうございました。