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[77]雨水枡のオーバーフローについて

質問者:PAZ / 最新の回答・ご意見者:山本 廣資 / 回答・ご意見数:3件
カテゴリ:工事ミス・トラブル / 2010年07月01日 21:10

新築戸建てを約2年前に購入しました。初めての梅雨を迎えた際、水はけの悪い土地だとわかりました。水位が2〜3cmにもなり、雨水枡が溢れ、蓋が流れて30cm以上離れた場所に動いていました。購入後に知ったのですが土壌が粘土質で水はけが悪く、大雨が降ると玉砂利を敷いていても水位が玉砂利を上回る状態になります。雨が止んでもしばらくそのままです。3棟建ての現場なのですが、どこも同じ状態で、1件のお宅は軒下のサンダルが浮いて流れてしまうほどでした。そのお宅がクレームを出した際は、何もできないと言われたそうです。その後そのお宅はハウスメーカーにお金を払い、雨水枡から汚水枡に配管をつなげて排水するよう施工してもらったそうです。
私達は、そもそも水はけの悪い粘土質の地盤と知って建築するのであれば、それ相応の施行をするのがあたりまえだと思っていますので、雨水枡が浮いて流るような事が起こること自体ありえないと思っています。施行料金を請求されることも信じられません。ハウスメーカーに掛け合ったところ「雨水枡が浮いて流れても、それを水はけが悪いと感じるのはお客様によるので。何日掛かっても水がはけるのであれば、こちらとしては何もできません。」と言われました。「蓋が流れるのであればレンガ等を乗せる対応はさせていただきますが、水はけが悪いと感じるのはお客様によりますので。TVのアンテナもそうですが少しノイズが入っても気になる人も入れば全く何も感じない人もいるので。それ以上の施工はバージョンアップとなるので有料になります。そもそも雨水枡が無くても条例上何の問題もないので。」との事。雨水枡が敷地内に複数あればきちんと排水されると思うのが当然と思うのですが。私達の主張はおかしいのでしょうか?無償で改善してもらうことはできないのでしょうか?ハウスメーカーの対応の悪さに今後の不安を覚えます。
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PAZ

所在地:東京都
2010年07月08日 22:03

栃木様、山本様、ご回答ありがとうございます。

度重なる交渉、理不尽なハウスメーカー側の対応に疲れ、諦めそうな気持ちになっていました。
山本様のお返事にもう少し頑張ってみようと思いました。ありがとうございます。
お返事の中にあったご質問にお答えしたいと思います。
更なるアドバイスを頂ければ幸いです。
まず最初にお伝えしておきたいのですが、私達が住んでいる市では本来、雨水を下水に流してはいけないそうです。ですが隣家の改善の際は「自分たちが施工した事は内密に」と言う約束で有料で施工したそうです。

道路と敷地の関係ですが、敷地の方が高いですが傾斜をかけて道路に排水する等の施工がされていないです。道路は冠水しません。宅地前は私道となっております。
宅地内には浸透枡が3つあり、その内2つが溢れます。
もちろん購入時には粘土質で水はけが悪い等の説明は一切ありませんでした。
以前より家を購入した際はアプローチ部分にコンクリを貼らず自然な感じでクラシックレンガを敷きたいと思っていましたが、「土壌の質からそれは諦めた方が良い」と他の業者に言われかなりショックです。
ハウスメーカーには然るべき方々に相談する為、施工が有料になる根拠・返答内容を書面にして送付するよう依頼しましたが「検討させて下さい」との事で返答待ちです。
とりあえずご推奨頂きました財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターにも相談したいと思います。
お心遣い本当に嬉しく思います。ありがとうございます。

これまでの回答・ご意見数3

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
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栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2010年07月02日 10:20

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
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俗に言う「分譲、建売住宅」をお買い求めになったのだと想像しますが、結論から言うと先方(販売主)に-無償で-対応してもらうのは難しいと思います。宅建取引上のお話なので、私の専門外ゆえ、参考意見としてお聞き下さい。

仮に争うとした場合、その論拠とする法令を何に求めるべきかと考えると、「品確法」あるいは、不動産取引上の「契約条項違反」くらいが思う浮かぶのですが、そのどちらにしても、宅地内に一応は排水施設があった上で、その機能が充分発揮できていない事がいわゆる「重大な隠れた瑕疵」に相当するか?「受忍限度を超えているか?」が論点になると思います。
今回の場合、建物が地盤や基礎の不良によって傾いてきた、、、というようなケースとは異なりますので、「重大な隠れた瑕疵」により「受忍限度を超えている」と主張するには少々、無理がありそうですね。

腹立たしいお気持ちはよく判ります。しかしながら、先方の態度が気に入らないので、とにかく喧嘩を売りたいのだ・・・というのなら別ですが、あくまで「排水の悪さを改善したい」というのが主旨でしたら、少々、金銭的な負担をする前提で、あくまで「値引き交渉」「条件交渉」というスタンスで対応された方が、結果としてお得になるかと思いますよ。

立腹されたり、不安をおぼえるには、それに至る経緯があったのだとは思いますが、今回の件に関しては、無条件で(100%先方の費用負担で)勝てる喧嘩にはなりそうもありませんし、喧嘩をする事でむしろ今後の対応が更に悪化するような気もします。

技術的なアドバイスをするには、情報が少ないですが、排水桝(多分、、、浸透桝?)を増やすよりは、宅盤内をアスファルト舗装などした上で集水し、宅盤外にできるだけ早めに排水(汚水桝に排水)するような考え方を選択された方が理にかなっているような気がします。屋根樋の雨水処理が必要なようでしたら、それだけを別ルートで処理するという手もあるかもしれませんね。
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山本 廣資

有限会社 環境設備コンサルタント、山本技術士事務所
2010年07月07日 09:12

所在地:東京都杉並区清水1-30-13
URL:http://masakanohirosan.livedoor.blog/
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長年マンション設備の計画・設計に携わってきた設備技術者の立場からお話しします。
?道路と敷地の関係はどうなっていますか?どちらが高いのですか?
建築基準法(以下「法」という)第2章は「建築物の敷地、構造及び建築設備」に関する規定があります。『第十九条 建築物の敷地は、これに接する道路の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。ただし、敷地内の排水に支障がない場合又は建築物の用途により防湿の必要がない場合においては、この限りではない。』
敷地の方が高ければ雨水は道路に流れますから、PAZさんのお宅のような状況にはならないでしょう。したがって、道路のほうが高いとすれば建築基準法不適合といえます。
但し書きに、「敷地内の排水に支障がない場合は、・・・この限りではない。」とはありますが、「雨が止んでもしばらくそのままです」という状況は、排水に支障がないとは言えないでしょう。

?「水位が2〜3cmにもなり、雨水枡が溢れ、・・・」とありますが、道路も冠水するのですか? 法では、『第十九条2 湿潤な土地、出水のおそれの多い土地又はごみその他これに類するもので埋め立てられた土地に建築物を建築する場合においては、盛土、地盤の改良その他衛生上又は安全上必要な措置を講じなければならない。』と定められています。

?「雨水桝があふれる」とのことですが、この桝は浸透桝でしょうか?また、数はいくつありますか?
雨水、汚水の排出には、『第十九条 3 建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又はためますその他これに類する施設をしなければならない。』との条文があります。近隣の住戸が、『雨水枡から汚水枡に配管をつなげて排水するよう施工してもらった』ということは、PAZさん宅の雨水桝は下水道につながっていないということですから、上記条項の不適合といえます。
また、「これに類する施設」とありますが、個数を増やしても、浸透桝だけで敷地の雨水を処理するのは台風や集中豪雨時には不可能であると思います。雨水が滞留すれば、やはり上記に適合しません。
「そもそも雨水枡が無くても条例上何の問題もないので」云々のハウスメーカーは、建築基準法の敷地に関する条項を知らないですね。

?住居を購入された際、 宅地建物取引業法で定められた重要事項説明があったはずです。
その際に「雨が降ると、やんでもしばらくはたまっています」という説明があったのですか?このような説明があればPAZさんは、この建物を購入しなかったでしょう。
また、「雨水はたまらずに流れる」というような趣旨の説明だったとしたら、実状と説明とは食い違っていることになります。当然説明どおりに改善すべきと思います。
?「重要事項とは、当該事実を告げないことによって、取引の相手方などが重大な不利益を蒙る事実」と解されています。35条(重要事項の説明等)に「四 飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(これらの施設が整備されていない場合においては、その整備の見通し及びその整備についての特別の負担に関する事項)」とあります。
水はけがよいか悪いかは、「購入者の利益に関する重要事項」と考えられます。これを告知していなければ、 宅地建物取引業法に適合しないのではないでしょうか。

?「雨がやんでもしばらくそのままです」の、「しばらく」の程度が不明です。現場を見ていないので瑕疵かどうかについてはなんともいえませんが、「しばらく」の程度によっては、水が滞留するのは瑕疵といえましょう。

?下水道が整備されているのですから、雨排水はそこに接続するのが本来のあり方です。ただし、雨排水を流せるのかは、下水道を管轄している役所に確認してください。道路にL字側溝があって、所々に、流れてきた雨が流入する穴が開いていれば接続可能と思います。整備されていない場合はU字側溝があります。敷地が高ければ雨はそちらに流れます。

?国土交通省住宅局の支援のもと、財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターがあります。
<Tel:03-3261-4567(代表) http//www.chord.or.jp> ここの「住まいるダイヤル」0570-016-100にまず最初のご相談されることを推奨します。現状の写真や、汚水枡と雨水桝(雨水路)、公共の排水路の状況などが分かる資料を作っておかれるとよいでしょう。

?費用負担については、その後のことですが、言うまでもないと思います。









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山本 廣資

有限会社 環境設備コンサルタント、山本技術士事務所
2010年07月11日 12:42

所在地:東京都杉並区清水1-30-13
URL:http://masakanohirosan.livedoor.blog/
PR:建築設備は、いろいろな工学…

東京都では、公共下水は雨水・汚水を同じ管に流す合流式の地域と、配管が別々に分かれている分流式の地域があります。分流式の地域では、間違えて雨排水管に汚水管を接続し、雨水放流先の川が臭いと問題になったことが新聞報道でありました。
下水道の汚水専用管があって、雨水管は設置されていない地域もまだあるのでしょうか、疑問です。

「私達が住んでいる市では本来、雨水を下水に流してはいけないそうです。」とのことですが、市の所轄部門に確認しましたか?
周辺の公道に入っている配管は汚水専用なのか、雨水はどのように流すのか(側溝に流すのか、雨水排水管も設置してあるのか)、相談にいって、直接確認してください。

3棟建ての現場で、私道もあるということですから、本来は汚水と雨水の対応を考えておくべきです。敷地が道路よりも高いのに、道路側に雨が流れるようになっていないのは何か理由があるのでしょうか。状況が不明ですが、庭に雨が溜まるのなら、水道(みずみち)を作って道路側に流せばよいのですからそれほど難しいことではないと思います。
なぜやってくれないのでしょうか疑問です。分かったら参考のため教えてください。

なお、雨排水の浸透に関しては、公共下水に流す場合でも、どこでも指導があります。敷地内の雨排水管は孔開き管を使用する、桝は浸透桝とする等ですが、浸透できなかった分は、もちろん放流可能です。

想像では、3棟建設の条件として、行政から私道および敷地内の雨水排水管設置について厳しい措置を求められ、簡単に施工できる浸透桝方式を選んだものかもしれません。

ともあれ、集中豪雨が心配です。ハウスメーカーの言い分が本当なのか、市の下水道課にも相談してください。


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