myph

[9830]マンションの耐震性

質問者:リーコ / 最新の回答・ご意見者:リーコ / 回答・ご意見数:4件
カテゴリ:マンションの悩み一般 / 2015年03月12日 01:46

中古マンションの購入を検討しています。

1982年2月築の鉄骨鉄筋コンクリート造、L字構造の14階建ての3階のお部屋です。
他の4階のお部屋を内覧した際、お部屋の壁と張りの間に亀裂が入っていました。
兵庫県の西宮にあり、阪神大震災を経験しています。
L字の接続部分付近の外壁にも亀裂が何箇所かみられます。

旧耐震基準のたてものであり、阪神大震災を経験しているので耐震性が心配です。
次に大地震が来るとすれば崩壊する可能性は高いでしょうか?

これまでの回答・ご意見数4

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2015年03月12日 19:03

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

俗に言う「旧耐震」の建物を、今の基準で、耐震診断すると、ほぼ100% OUTになります。考えてみれば、当たり前の事ですが・・・。

で、そもそも、一般の分譲マンションでは、その耐震診断すら出来ていません。一つは、妙に耐震診断をすると、間違いなく診断結果は良くない数字が出ますので、あえてその数字をはっきりさせないようにしよう(資産価値を下げないようにしよう)という事と、単に耐震診断費用が非常に高額(精密診断ですと1棟数百万円レベル)であるためです。

住戸別の耐震診断は、分譲マンションの場合、技術的には、ほぼ不可能ですが、建物全体として、既存建物を評価する場合、「Is」という指標を用います。概ね、新耐震基準で出来た建物=0.6 以上というイメージです。(アネハの頃言われた、指標は忘れてください。。。あれは、相当に、工学的にはいい加減なトコがありました)

耐震改修促進法では
Is<0.35:地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い。
0.35≦Is<0.6:地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある。
Is≧0.6:地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が低い。
こんな指標はあります。ご覧になってお判りの通り、新耐震の建物も、「低い」とは言えども、倒壊する危険性を100%否定はしていません。

ですから

>大地震が来るとすれば崩壊する可能性は高いでしょうか

というご質問に端的にお答えするなら「YES」としか言いようがありません。

少しでもリスクヘッジするのであれば、新耐震以降の建物をお買い求めになるか、高額な費用を払い、耐震診断済で、尚且つIs=0.6以上の稀有な物件を探すしかないでしょうね。

ちなみに、私の経験で申し上げれば、過去 Is=0.1 の建物を耐震補強しましたが、地震多発地域にも関わらず、工事前も倒壊せず存在してました(当たり前ですが)。また、私の事務所は築40年以上の旧耐震、耐震補強無しの10階建てマンションの4階です。

リスクに対する考え方には、個人によって大きな差がありますので、このような情報を提示するにとどめます。あとは、ご自身で判断頂くしかないように思います。
myph

リーコ

所在地:兵庫県
2015年03月12日 23:57

ご回答ありがとうございました。

大変参考になりました。
もう少し検討を続けたいと思います。
myph

栃木 渡

一級建築士事務所 株式会社 北工房 代表取締役
2015年03月13日 09:55

所在地:北海道札幌市中央区北1条西15丁目1-3 大通ハイム409
URL:http://www.kitakobo.com/
PR:住宅設計に関わって30年が経…

>個人の支払える範囲で何か専門の方に診断してもらう方法はありますでしょうか?

耐震診断は、申し上げたように、莫大なお金がかかりますし、そもそも、旧耐震の建物であれば、診断しなくとも、新耐震に比較して、いい結果は絶対に出ません。
耐震性の判断だけであれば、やる前から結果は判っていますので、費用の無駄かと思います。

マンション全体、若しくは専有部分(住戸内)の、「総合的」なコンディションの診断であれば、ホームインスペクターさんや、地域の建築士事務所協会さんにご相談になれば、「個人の支払える」程度の費用で診断して頂けますよ。

http://www.jshi.org/search/
myph

リーコ

所在地:兵庫県
2015年03月14日 00:38

お忙しい中、ご回答ありがとうございます。
自分では判断しきれずわらをもつかむ思いで相談いたしました。
建築士事務所協会、検討してみます。

また、度々の質問申し訳ありませんがクラビア様のご回答の中で

>建造物の被害は地盤の影響がかなり大きい

とありました。

立地は川沿いで昔そこは工場だったと地元の人から聞きました。
それについては問題ありますでしょうか?

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者
myph

クラビア

所在地:新潟県
2015年03月12日 13:08

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

阪神大震災に耐えたので頑丈だという見方と、その際に、かなりダメージを受けたので、危険だという両方の見方ができるように思います。
耐震基準的には厳しい感じがしますが、建造物の被害は地盤の影響がかなり大きいので、その点はいかがでしょうかね。
ともかく、ご質問にお答えするということではこのサイトで助言できる範疇を超えている様に思います。
耐震性を診断できる専門家に費用を払って判定してもらうのが正解かと思います。
一生の買い物ですから、それなりのコストを掛けることは大切だと思います。
あと、集合住宅は騒音問題も多発していますので、その辺りのことも、既に住んでいる方に尋ねてみてもいいかもしれません。
防音に問題を抱えるマンションは結構多いです。
あと、断熱性にも留意したいところですが、関西でそこまで求めるのは無理かもしれませんね。
加えて、管理費、共益費、維持費にも留意すべきですが、その点は既に確認済みかと思います。
新潟県では100万円前後で素晴らしいマンションが売りに出ていますが、価格に釣られて買ってしまうと後が悲惨です。
myph

リーコ

所在地:兵庫県
2015年03月12日 22:24

ご回答ありがとうございます。

確かに、可能性の問題でこちらでYES,NOのお返事をいただくのは無茶かもしれません。
またそのような質問に対しお返事いただきありがとうございます。

クラビア様のおっしゃる通り、専門家の方に見てもらうのが1番かと思います。
ですが、知識はないのですがマンションの耐震診断は数百万かかると見聞きしました。

個人の支払える範囲で何か専門の方に診断してもらう方法はありますでしょうか?
myph

クラビア

所在地:新潟県
2015年03月15日 07:28

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

阪神大震災やその後の大地震の教訓から得られた事実は、旧耐震基準で建築された物件でもさほどの被害が無かった物があった反面、新耐震基準の物件で、現実に住み続けることが不可能になった物もあったということです。
つまり、新耐震基準にしても、それは建物が全く被害を受けないということではなく、最低限、人命を守るということが求められているに過ぎないからです。
そして、この被害の違いは地盤の違いによるところが大きいと言われています。
一続きの全く同じ構造の物件で、一部だけが崩壊しているものがありましたが、それは、ほとんどの場合、川や池や沼を埋め立てた所に建てられた物件であったことが分かっています。
大きな図書館の資料室で古地図を見ることができれば、土地の来歴をある程度知ることができるかもしれませんが、昔の地図の正確さは良く分かりません。
もしも、大地震に耐える家ということであれば、免震構造の物をお勧めしたいと思います。
もっとも、一部メーカーの免震装置自体に不正があったことが、つい先日発覚しましたので、免震構造に付いても良く調べる必要がありますね。
私なら、予算があればですが、免震装置付きの戸建て住宅に住みたいですね。
鉄筋コンクリートのマンションは、地震で被害を受けないとしても、意外に寿命が短いのですよ。
また、長く維持するためにはかなりの費用が掛かります。
マンションに住む場合は賃貸にして、いつでも引っ越せるようにしておくのが得策だと考えていますが、余計なことでしたらお詫びします。
myph

リーコ

所在地:兵庫県
2015年03月17日 00:53

お忙しい中、詳しく教えていただき誠にありがとうございました。
マンションもよし悪しなのですね。

即決せずにこちらで相談させていただけてよかったです。
大変勉強になりました。
ありがとうございました。