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[9877]地中熱ヒートポンプ

質問者:AKI / 最新の回答・ご意見者:福地 脩悦 / 回答・ご意見数:3件
カテゴリ:設備や内装一般 / 2015年03月27日 08:17

新築住宅で地中熱ヒートポンプ方式の冷暖房システムを検討しています。場所が長野県で冬期は零下10度程度に冷え込みます。
暖房効果は期待できるでしょうか?

これまでの回答・ご意見数3

アドバイザーからの回答

アドバイザー  相談者
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長土居 正弘

Utuwa project
2015年03月30日 16:42

所在地:岩手県盛岡市大新町18-13
URL:http://nagadoi.sakura.ne.jp/
PR:エネルギーアドバイザー エ…

グラビアさんの答えと重複しますが!
暖房効果は期待出来るでしょうか??…答えはYESです。

但し、採用に当たり幾つかのチェックポイントがあります。(ヒートポンプ温水暖房と仮定して進めます)
ヒートポンプの性能を表すのに、成績係数(COP)が有ります、これは大きいモノほど燃費が良いと言うことになります。
空気熱ヒートポンプのCOP-4程度とカタログ表記されています。(寒冷地設置の場合、実質的にはこの数値の0.6掛け)
地中熱ヒートポンプもCOP-4.5程度とカタログ表記上大差有りません。
ヒートポンプは環境熱と言われる大気や地中から熱を集めるために電気エネルギーを使います。
1kWhの電気エネルギーで何キロワット周囲(環境)熱を集められるかを現すモノがCOPです。COPが大きいほど電気代が安くなるわけです。

外気(空気)温度は季節や時間帯で上下します、比較して地中熱は変化が少ないと言うことで効率が良いとされています。
地中熱ヒートポンプは40坪程度の住宅でも、安定した温度を得るために採熱管というモノを地中に挿入しますが、ボーリングコストが100万円前後かかります。(1万円/m)
空気熱源ヒートポンプとのシステム価格差が100万円程度あると言うことです。
設備寿命の15年前後でこの100万円を回収出来るかが空気熱にするか、地中熱にするかの分かれ道です。

ヒートポンプの共通事項として、取り出す温度は出来るだけ低くすると効率(COP)が良くなります。
例えば(東北電力管内の場合)
55℃で温水を取り出す、COP-1.7-----37.16円/1.7=21.85円/kWh
35℃で温水を取り出す、COP-2.7-----37.16円/2.7=13.76円/kWh
同じエネルギーを使用しても取り出す温度によってこの差が生まれると言うことです。

ヒートポンプ暖房を成功させるには、
低温水35℃で暖まる住宅性能が求められます、Q値で言うと1.3W/?K以下くらい。
ヒータも床暖房、壁暖房、パネルヒータなど低温領域の放熱特性の良いモノを組み合わせる必要が出てきます。
又暖房器の配置計画もとても重要な要素です。

信頼の置けるパートナーを見つけ細かな点で納得が出来れば地中熱ヒートポンプ温水暖房は良いと考えます。
地域によっては地中熱ヒートポンプは補助金の対象になっていますので、100万円の差を縮めるために活用できると考えます。

寿命、故障・メンテナンスサービス、更新時(15年先)の予測なども検討材料として必要です。

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福地 脩悦

株式会社 福地建装 / HQ住宅研究所 ファース本部
2015年04月02日 09:44

所在地:北海道北斗市中野通324
URL:http://www.fas-21.com/
PR:「家は創り上げ、育て続ける…

地中熱は、真夏の気温30℃以上の時も、真冬の氷点下10℃の時も常に15℃程度を保持しております。
私達のような温熱関連の仕事をしているモノにとっては、とても魅力的なエネルギーです。

当方も過去に電力会社や大手メーカーと共同研究を繰り返してきました。
結果としては、上記お二人(グラビア様)(長土居様)の先生の意見と、同じ結果となります。

当方は、別の視点からでのイニシャルコスト(設置費)とランニングコスト(維持費)に相応の投資が必要と考えます。

敷地によっては設置費が異なり、地中熱を汲み出す揚水ポンプにもエネルギーを使用します。
場合によっては、家の断熱・気密をあげることを重視すると、安価な高機能エアコン(寒冷地対応エアコン)で、安価なエネルギーコストでも賄えます。
寒冷地エアコンは、メンテナンスも取り換えも安価で北海道のマイナス20℃の地域でも使用しています。

また家の断熱・気密の性能が高く、熱容量の多い家で使用すると家が温まってしまうとドラフト(温風の流れ)は殆ど気にならなくなります。
また夏場の冷房は通常通りに使用出来ます。

ヒートポンプは、様々な状況を加味して選択すべきでしょう。

※アドバイザー以外の一般ユーザーからのご意見

一般ユーザー  相談者
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クラビア

所在地:新潟県
2015年03月29日 12:18

URL:
家づくりの想い:人に優しい家・ふところに優

ヒートポンプは熱を汲み出す装置ですので、汲み出す対象の温度が高ければ高いほど暖房の際は効率が良くなります。
また、冷房の際はこの反対です。
例えて言うと、これは深井戸よりも浅井戸から水を汲み出す方が楽になるのと同じです。
暖房に関して言いますと、零下10℃の空気から熱を汲み出すのはなかなか大変ですが、地熱ですと大体は10℃前後になると思いますので、効率は良くなるはずです。
あとは、どの程度の深さの地熱を利用するか、水脈があるのか、その温度は何度で安定しているのか、装置自体の効率、それはCOPなどの数値で表されると思いますが、これらの要素によって、効果の度合いは異なってきます。
ということで、効果が期待できるかというご質問に対しては、期待できるという回答になりますが、どの程度期待できるかは種々の要素によって異なります。
地下水が豊富に流れているような地域であれば、そこまで装置を埋め込めば、かなり期待できると思います。