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■行政側の意識が問われる 「健やかな街づくり」
このように自宅では安心して生活できるようになったTくんですが、成長するにつれて行動半径が広くなるのは当然のこと。いまは学校や図書館などの公共施設のありようが問題になっています。
現在T君が通っている中学校では決してTくんの病状に無理解というわけではありませんが、やはり職員・関係者全体の意識はまだ十分とは言えないようです。先日も教室の |
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落書きを消すために不用意に使用されたシンナーが原因で、Tくんは10日間も39度以上の熱に悩まされたそうですし、新設された公共施設もTくんは入館したとたんに具合が悪くなったそうです。
多くの子供達が集まる学校や公共施設が現実にこのような状況にとどまっているのは、まだまだ行政や教育関係機関の認識が不足しているからだと言わざるを得ません。Tくんだけでなく、この病気に悩む多くの子供達は、いずれ進学し、もっと広い社会に参加していきます。そのとき出会う社会が健やかなものであってほしいと願うのは当然のことと言えるでしょう。 「化学物質過敏症」。この病気が現代社会そのものが抱えている問題であること、誰にとってもいつ発症してもおかしくない病であるということを、一人でも多くの人が認識し、早急な対策を講じる必要があるのです。 |
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