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第3回 素材選びと設計プラン

室内環境を汚染する化学物質が原因と考えられる様々な健康障害「化学物質過敏症」の問題は、テレビや新聞などの各種のマスコミでも連日取り上げられて大きな社会問題として注目を集めています。
いままでこの問題に無関心だったユーザーも建材や防腐・防虫処理剤などに対する関心が高まり、ハウスメーカーからは「健康住宅」と銘打った商品も発表されるようになりました。
しかし、それが本当かどうかどう確かめればいいのでしょうか?
今までコストや間取りだけに目が行くことの多かった住まいづくり。
改めて「住まい」に何を求めていくかを見直す時期に来ています。
今回は特に、住まいに使われる素材選びと設計プランについて見直してほしいポイントをご紹介したいと思います。

■氾濫する情報に踊らされないこと
 最近立て続けに発表されている「健康住宅」もメーカーによってその内容はまちまち。その中には合板をF-1仕様にしている、ホルムアルデヒドを発生しない接着剤を使っている、など一部の建材に注意しているだけの規格住宅もあります。
 しかし、化学物質過敏症は個人差が大きく、WHO(世界保健機構)が提示するホルムアルデヒドのガイドライン(0.08ppm)以下でも発症する例も多く見られます。原因物質もホルムアルデヒドだけと断言できません。  たとえそれまでの仕様に比べて改善されているとしても、安易に「健康」といううたい文句を鵜呑みにするのは考えもの。化学物質への関心が高まってきてから、付け焼き刃のように開発された「健康住宅」には要注意です。
 ユーザーとメーカーそれぞれにとっての「健康な住まい」の常識には、まだまだ大きなギャップがあります。
「ホルムアルデヒド ゼロ」などの宣伝文に惑わされず、何を原材料として作られた製品をどれくらい、どのようにして使用しているのかという根本的なことに目を向けて、じっくりと比較検討することを忘れてはいけません。
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