![]() |
■校舎の新築で化学物質過敏症になり、 合格したのに登校できないという問題も |
幸いなことに息子は学校が好きで、学校に行きたくないとか気分が落ち込むとか、そういうことは一切ありませんでした。
高校の志望校は「居ることのできる学校」が第一条件。校舎を新築したため、化学物質過敏症で登校できなくなった生徒の話を聞 |
![]() |
き、合格しても通学できなければ何にもならないと思ったのです。一校一校、実際に行って、安全な環境か確かめてから志望校を決めました。A校は建て替えたばかりで、なんとなく気分が悪くて「ここに居たくない」という感じ。B校は逆に古すぎていつ建て替えになるかわからない。C校は学校の説明を受けているときに、シンナー系の補修の匂いがしていました。そんな中でN校に決めたのは、いやな感じがなかったことと、A校より1年早く建て替えが済んでいたので、当分補修はないだろうと考えたからです。
入学が決まった後、「息子が元気に通えるよう協力してほしい」と学校に話に行きました。学年主任の先生は息子の症状を聞いて「夏休み中のワックス塗りの後、わたしを含めて何人かの先生が1週間くらい頭痛が続く状態だったのですが、あれは化学物質に反応していたんですね」とご自分の経験と照らし合わせて、理解してくれました。 学校全体の取り組みも前向きで、スプレーで帯電させホコリを取るタイプのモップや、ガラスクリーナー、クレンザーの使用を止めてくれました。替わりに私が持参した石けんを使ってみたら(そういったものは、汚れが落ちにくいとか価格が高いと誤解している人も多いのですが)、汚れ落ちがよく拭きとりが楽で、いままでよりきれいになったとのことでした。石けんは1000倍に薄めて使うので、1回の使用量はわずか。年間ダンボール2箱分のガラスクリーナーを使っていたのが、石けんなら500ミリリットル1本で全校で3年間使ってもまだ余る。しかも1本215円と聞いて先生もびっくりしていました。 ワックスは、自然素材の液体ワックスを水で希釈して塗りましたが、かっちり塗膜のできるワックスに慣れている業務主事の方たちから「塗った気がしない」「耐久性や保護力は大丈夫か?」という感想が出ました。自然素材のワックスは原液で塗ることも可能ですが、予算の問題もあります。何種類か出ているので、性能や予算との兼ね合いを考えながら、ワックスの必要性も含めて、これから試していくことになっています。 |
![]() |
<<前ページへ |
次ページへ>> |