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第8回 体験者ルポ〜vol.4

今回は、空気清浄器を使用されているおふたりの例をご紹介します。それぞれ、突然おそわれた化学物質過敏症に悩まされ、改善の手段として空気清浄器を使うことを試みられたそうです。とはいえ、空気清浄器を過信するのは危険。最後に、渡辺一彦先生に「空気清浄器の効果と使い方」をうかがっていますので、あわせてご参考になさってください。

■Kさんの場合
実家、勤務先、そして自分の家。
あいつぐ新築が、アレルギー体質の自分には良くなかったのかも
平成8年に自宅を新築。入居後1週間で爆発的に症状が出てきました。激しいかゆみと炎症は、顔から始まり、徐々に全身へ。なんともないのは足の裏だけだったといいます。いくつかの皮膚科で診察を受けた後、平成10年に出産したお子さんの皮膚の状態が思わしくないため小児科の渡辺先生を訪ねます。その際先生はお母さんの顔の状態を見て、詳しく事情を聞き、化学物質過敏症と診断。治療により改善しましたが、4年経った今も手指に症状が出ています。


ドイツ製のフィルターなしの空気清浄器が
症状好転のきっかけ?
 化学物質過敏症と診断された同じ頃、たまたま通信販売でドイツ製の空気清浄器を購入しました。これはフィルターを使わず、水を使って空気中の有害物質を取り込むしくみです。ホルムアルデヒドを除去すると説明書に書いてありましたが、効かないとがっかりするので、ホコリが除去できるならいいくらいの気持ちでした。平成10年からずっと使っていますが、空気清浄器をかけている時の空気と、かけていない時の空気では、居心地のよさが全然違います。ファンの音は低音で、水を使うタイプなので手入れも簡単。冬は加湿され、いいです。値段も5〜6万円と手ごろでした。
 その頃から少しずつ症状が良くなってきたので、空気清浄器は症状が良くなるきっかけのひとつだったかもしれません。


全身の状態を良く保ち、アレルギーを起こす物質には
何であれ近づかない
 ただ、いくら空気清浄器をかけたり症状を塗り薬で止めていても、全身の状態を良くしておかないと症状はひどくなります。夜はしっかり眠り、しっかり朝ご飯を食べる。アレルギーを起こす物質に近づかない。私の場合は、クリーニングに出してビニールをかけておいた服、トイレ掃除の使い捨てのペーパーや芳香剤に近づいただけで首やおでこが痒くなります。
 平成8年に症状が出てから4年経ちますが、症状はなくならないものの出方は変化してきました。私はもともとアレルギー体質。そこへ、結婚前に実家が新築し、就職した病院も新築、結婚してから自宅も新築と、新築続きが良くなかったのだろうと思っています。

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