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■渡辺先生に聞きました
空気清浄器の効果と使い方
化学物質過敏症の対応策としてまず大切なのが、有害物質の含有量・揮発量の少ない建材を選ぶなど発生源を抑えることです。また、現代の住宅は高気密になっており、十分な換気システムの完備が必要です。空気清浄器はあくまで補助的な手段と覚えておいてください。ホルムアルデヒドの吸着剤を使用することも一部には有効です。
●空気清浄器の種類と特性
空気を強制循環させフィルターを通して漉すフィルター式と、帯電させて吸着するイオン式があり、イオン式には強制循環するものとしないものがあります。
ハウスダスト、花粉など粒子状の有害物質の吸着効果が高いのは、フィルター式です。学会でもデータや臨床例が報告され、効果は歴然としています。ただし運転音がうるさく、フィルターは交換式なので、ランニングコストが高いという欠点があります。一方イオン式はフィルターが安価で、最近はフィルターなしの機種もありますが、粒子を吸着する効果は弱くなります。
●ホルムアルデヒドなどガス状の有害物質に対して
1:オゾン式
2:金属酸化物触媒(過マンガン酸カリウム) 3:光触媒(酸化チタン) 4:活性炭式 という方法があり、それらを組み合わせている場合もあります。 現段階でホルムアルデヒドの除去に効果が高いのは、2と4を組み合わせた空気清浄器です(ダストフリー社)。活性炭式では、活性炭を加工し、一度吸着した有害物質を再放出しないよう改良したタイプがあり(新菱重機)、臨床データはまだですが有力と思われます。
●空気清浄器は補助的に使う
空気清浄器はアメリカでの実績をもとに、化学物質過敏症の治療のひとつとして日本に進出してきましたが、治療法としてはあくまでも補助的です。換気面では、窓を開けての通風にかなうものはありません。空気清浄器が室内の有害物質を30分で10分の1にするとしたら、窓を開けての換気は風があれば5分で10分の1。空気清浄器を過信してはいけません。
ただ、高気密住宅で換気が足りない、化学物質が身の回りにある時、または外気が汚染されている場合などは、補助的に使用せざるをえないでしょう。特に北海道は寒冷期に窓を開けての換気が難しく、症状が悪化したり、患者さんが増えたりしています。 空気清浄器の購入は、運転音のこともあり、実際に動かしてみてから買うことをお勧めします。また使用する場合は24時間かけっぱなしで、身の回りに置くこと。ですから、ポータブルで持ち運びできるものがいいでしょう。さらに、フィルターの交換はケチらない。メンテナンスをきちんとする。交換時期は一応目安はありますが、使ってみて、効果が続いているかどうかで判断してください。 |
F1・F2・F3から、Fc0・Fc1・Fc2に
ホルムアルデヒド放散量基準が改正されました |
F1などとして皆さんにも耳慣れてきた日本農林規格(JAS)の、普通合板等に対するホルムアルデヒド放散量基準が一部改正、強化されました。概要は以下のとおり。1)2)については、別表もご参照ください。
1)ホルムアルデヒド放散量基準値の新設……集成材、構造用集成材、単板積層材、構造用単板積層材、構造用パネル、難燃合板、防災合板に新たに基準を設ける。 2)ホルムアルデヒド放散量基準および標記の見直し……普通合板、コンクリート型枠用合板、構造用合板、特殊合板およびフローリング(複合)の基準値を室内濃度指針値に対応した基準値に変更。 3)ホルムアルデヒド放散量試験方法の見直し。 ![]() |
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