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重金属や有害物質を排出し、必須ミネラルを補給
 まず、化学物質がどのくらい蓄積しているか、必須ミネラルが十分かどうかを調べるために有害金属毛髪検査を行いました。日本人はヒ素と水銀の含有量が多く、ほとんどの患者から検出されるそうです。私の髪からも、ヒ素や水銀、鉛、アルミニウムが検出され、マグネシウムやカリウムなどの必須ミネラルが不足していることもわかりました。  そこで、不足しているミネラルを補うサプリメントと有害物質排出サプリメントを飲み続けると、2ヵ月ほどでウツ状態がなくなり、体調も回復しました。何より嬉しかったのは「治療を5年ほど続ければ、化学物質過敏症は75%の確率で治る」とはっきり言ってもらったことです。それまでは、一生この状態が続くかと不安でしたが、治る可能性があることを知ってほっとしました。  現在は、有害な化学物質に対抗できる体質を作るため中和療法を行っています。出村先生によると、「ほとんどの化学物質過敏症の患者は、食物やハウスダスト、ダニ、花粉症のアレルギーを持っている」そうです。中和療法とは、花粉やダニなどの抗原を抽出した液を皮下注射するテストを行い、その結果に応じて、微量の抗原を定期的に注射していく治療法です。抵抗力がつくため、有害化学物質に触れても症状が出にくくなります。


医師の指導を受けて食事療法と運動療法を実践
般に売られている野菜や米を食べると残留農薬を、調味料などからは有害な食品添加物を摂取してしまいます。そこで、自然食品店で有機栽培の野菜や米、無添加の調味料を買うようにしました。  また、大豆や大豆製品はできるだけ毎日食べるよう指示されました。ダイオキシンは、脂肪と結びついて体内に蓄積しますが、大豆に含まれるレシチンがダイオキシンと結びついて、脂肪に取り込まれるのを防いでくれます。とくに高野豆腐は効果的だそうです。  それから、汗をかくことも大切です。運動して脂肪を燃焼させることで、ダイオキシンを汗と一緒に排出するのです。体を動かすのがつらければ、半身浴やサウナでもOKです。化学物質過敏症の方は代謝が悪くなっているので、最初はなかなか汗が出ないかもしれませんが、あきらめずに毎日続けると汗が出るようになります。


どうしても必要な外出には活性炭入りマスクが効果的
 化学物質過敏症になったら、有害化学物質を遠ざけるのが鉄則ですが、やむを得ず環境の悪い場所へ行かなくてはいけない場合もあります。そんな時は、北里研究所病院で化学物質過敏症患者用に開発された活性炭素入りのマスクをするようにしています。人によっては、活性炭やマスク自体の臭いに反応するかもしれませんが、排気ガスや化粧品の臭いをいくらか防いでくれるので、私はかなり助けられています。  このマスクは、札幌市内の辻調剤薬局で、5枚入り600円で販売しています。活性炭は一度空気に触れると2〜3日しか効果が持続しません。予備のマスクは、密閉できる袋に入れて保管しましょう。

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