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■施工現場で注意したいポイント
check.gif 施工材の種類と使用量の確認
 住宅の施工には、基礎、構造、電気配線工事や水道・ガスなどの配管、内装仕上げなど、たくさんの工程があります。ほとんどの場合それぞれの専門業者が実際の施工にあたり、これら複数の工程の進行を管理し現場の指示を行うのが施工管理者の仕事です。
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 せっかく設計プランの段階で化学物質を使わない建材・施工材を選んでも、現場で実際に施工する作業者に意図が伝わっていなければその苦労も台無しになりかねません。
 そうならないために、指定した建材や施工材が使われているかどうか、施工材の適切な使用量が守られているかなど、施工管理者に改めて現場での管理・指示の徹底を求めましょう。
 また、施主自身が現場に行って管理者や作業者とコミュニケーションをとることも大切なポイントです。建てる側も人間ですから、施主の顔が見えない現場より、健康に暮らせる家に住みたいという願いを感じた方が気持ちが入るというもの。真剣な思いが伝わっていると、時には「こうした方がもっといいのでは?」という現場だからこそ気づくような提案を出してくれることもあります。
 ただし、こうした提案や現場での変更希望などが施主と作業者の間だけで進められるのは工期の遅れなどのトラブルのもと。プラン全体を把握している施工管理者をきちんと通すことを忘れてはいけません。

 前回でローコストで自然素材の家を建てる手段の一つとして、内装仕上げなどの「できる部分は自分で施工する」という紹介をしましたが、その場合も同様です。
 クロスやカーペット貼りの糊や仕上げ塗料などは使用量や正しい施工方法を製造メーカーにきちんと確認してから行いましょう。
 設計者や施工管理者に助言を求めることも大切です。

check.gif 工事中及び完成後の換気を十分に行うこと
 施工中に通風・換気を行うことも重要なポイントのひとつ。自ら現場に日参して換気を行う方もいます。とくに冬季にかかる施工の場合、現場も防寒のために閉めきりがちですから注意が必要です。
 押入や納戸などの閉めきりがちな場所や、造作家具などがある場合はそれらの扉材を開け放し、全室に十分風が通るようにしてください。
 また、完成から入居までの間もある程度の期間をあけて、その間にベークアウト(暖房で室温を上げることで化学物質を強制的に揮発させ排出すること)などの処置を行うことも有効とされています。日本接着剤工業会では、この期間をおよそ14日以上設けることを推奨しています。

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